でぼのすさんから「空を仰ぎて雲高く」です。
評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ○
グラフィック★◎
エッチ◎
サウンド・ボイス○
ゲームシステム◎
「どこかで見たプレイしたことのあるゲーム」という感が拭えない。でぼのす独特なのは、CGと敵のビジュアルと効果音にとどまる。戦闘システムなどは、議論する余地もない二番煎じである。しかし、それゆえに安定感のある作品に仕上がっているんだと思う。このゲームが“聴き応え”のあるゲームに仕上がっているのは、ひとえに声優:榊原ゆいのおかげだろう。
最初にプレイした時、「……なんだ、これ。面白いんだけどどこかで見たような気がする」という感覚でバトっていた。バンダイナムコのそれであった。使用頻度の高いコマンドをZXCに配置して、あらためてプレイしてみた。すると、戯画のそれとなった。シナリオと絵は良くも悪くもいつもどおりであった。結局、Studio e.go!のそれであった。
ただし、でぼのす塗りにはいい意味で違和感がある。昔の和枝女史を見慣れた人にとっては、全然違うと思わされるだろう。
一見すると、システムでいいとこ取りをして、シナリオや絵で自ブランドの味を出しているように思える。たしかに、システムまわりは比較的良好で、ビギナーも遊びやすい。かつて「IZUMO」零でポカったような、プレイヤー泣かせのゲームではない。こういったシステムに不慣れなプレイヤーでも、コツさえ掴めば楽しめるだろう。ただし、決してゲームバランスがよいとは言えない。戦闘において成長させる属性が、どうしても無属性に偏りがちなためである。
こう言うと誤解を受けそうだが、バンナムの某シリーズとか戯画の某ゲームをもっとやっつけにした感じがする。原型だけをくり抜いて、そのまま貼り付けたような印象がある。とは言え、キーボードで遊ぶには少々キーの配置やスキル数に難があるのも事実。押し抜けや押し間違えも頻発すると思われる。簡素化されているのは、当然と言うべきなのかもしれない。ただし、それを差し引いても爽快感や躍動感に欠けるきらいがあった。
おつかいクエスト気味のシナリオは、相変わらずのでぼego風味。何かしらの依頼があってかくかくしかじか、というのがパターン化している。「メン・アット・ワーク」や「IZUMO」と同様、考えてプレイするような代物ではない。何かしらの冒険譚をそのまま読んでいるくらいに考えたほうがいい。
システムに関しては、創意工夫と言うより、いい(と思われるところ)取り。シナリオは平易で、絵はいつものといったところ。そんな没個性の方が際立ってしまったゲームの中にあって、煌々と輝き続けていたのが、声優榊原ゆいである。異なるタイプの5人の榊原ゆいが、たしかにそこにいる。「榊原ゆいゲー」と判を押す人がいてもおかしくない。
絵と声優はともかくとして、システムのオリジナリティは皆無だし、シナリオは前述したとおりである。安定感はあるが、それ以上の評価がしづらいゲーム。決して悪くはないので、今以上に創意工夫に励んでほしいと思える作品だった。
【雑記】
「姫狩りダンジョンマイスター」みたく、幼竜のままクリアしてみたかったです。私事ですが、一周目は狙ってクールミントにしました。好きなタイプを狙うと、モチベーションが違いますね。