実妹化パッチで話題沸騰中の「妹ぱらだいす」のレビューです。かくいう私の頭の中も、プレイ後は妹だらけになりました。そんなピンク色に毒されたい方はどうぞプレイしてみてください。抜きゲーですが、これが品薄なのも頷けます…。
時代は姉妹だっ!!!
評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ△
グラフィック★
エッチ☆
サウンド・ボイス◎
ゲームシステム★
シナリオはゴーイング妹ウェイ。いざ集え、エロゲー妹スターたち!!
「娘姉妹」と「wind」の印象を強く覚えた。それもそのはず、まず主人公に関して言えば、とりあえず変態、なんと言おうと変態、とにかく変態なのだ。どれくらい変態かと言うと、
「実は彼…………将来、
娘姉妹のパパになるんですよ」
と嘘八百を並び立てられても、思わず首肯してしまうほどの変態っぷりを発揮するのだ。妹の胸を触りたいなどはまだまだラフなほう。妹のテニスを応援してる最中に欲情してナニしちゃうほどの、変態っぷりを見せ付けてくれる主人公もあまりいない。数多くいる変態主人公の中でも、かなり天然の入った変態と言えよう。ブラックな連中とは一線を画す、まさに変態オブ変態なのである。
なのに、妹たちはそんなダメな変態お兄ちゃんを断固として拒否しない。逆に誘いに来る妹もいるというのだから、このゲームの変態さは尋常ではあるまい。イヤだイヤだと言葉では言いつつも従ってしまう理央など、普通に考えればおかしい以外の何物でもないのに、プレイヤーとしてはニヤニヤを隠せない。おそらくはそのギャップこそが、この作品がウケる要因の一つなんだろう。別に邪なことを強要するというダークなシナリオでもないのに、プレイヤーは羞恥する妹に不覚にも萌えるのだから。
そして、wind臭が漂っている原因は、言わずもがな「~のだった」の多用にある。場面転換には「~のだった」か「~のであった」が数多く使われ、ともすると煙たい思いをしたプレイヤーもいたかもしれない(※1)。このライター陣にしては、らしからぬミスをしていると首を傾げたが、どういうわけか文章をわざと幼く見せている感じもする。確かに物語の展開自体はお世辞にも上手とは言えず、場面場面がブツ切りなのは否めない。けれども、二つの「~のだった」の間に一つのエッチシーン、もしくは日常シーンが挟まっていたことは、本作では実に印象深い。私事で恐縮だが、キリがよい所でセーブしてまた次回というサイクルで本作を愉しむことができたのである。際限なくプレイする羽目になりがちな従来のシナリオゲーとはまた違う。親切設計という気がしないでもない。
それにしても、こんなどうしようもない変態兄貴では、さしもの妹たちもブチキレてみなも化(※2)するのではないかとビクビクしていた。しかし、それも不思議と杞憂に終わり、自分としては主人公がヘタレでなかったのを感謝するばかりである。シスターズのお兄ちゃんへのメロメロっぷりには畏れ入るし、兄貴は兄貴でここまで図図しいマッチポンプ劇を見せられては、シナリオに突っ込む気力もなくなってしまう。近親相姦に近いのに、背徳的というよりも莫迦っぷりが極まっているのだ。プレイヤーとしては、ここはひとつ、このダメすぎる兄貴になったつもりで目と耳で愉しむといい。
気になるHシーンの数は、それぞれのキャラごとに11~16。ハーレムは7つの回想がある。正直、これだけ量があれば、長くHDの中に留まり続けることも可能だろう。それぞれの妹に「調教」や「誘惑」といった属性がついていて、プレイヤーをなかなか飽きさせない工夫がされている。これは嬉しい。自分としては、「変態」属性の理央が一押しである。他のエロゲーにも数少ない“プレイ”を堪能できるからだ。ハーレムが少し特殊なので、好き嫌いは分かれるだろう。
アニメの数がやや少ない点だけに注意されたい。こちらは少々不満が残るが、貶すほどではない。伊東ライフ氏の可愛らしい絵柄がそのまま活きている。
妹かエッチ。否、徹頭徹尾、妹とエッチ。そんなゲームである。妹属性のあるプレイヤーは抑えておくべきだろう。
※1 ゲーム業界用語辞典「~のだった」の項を参照
http://gamedic.jpn.org/game/game_no.htm
※2 ゲーム業界用語辞典「問い詰め」の項を参照
http://gamedic.jpn.org/game/game_to01.htm
【雑談】
Hシーンでセーブするとモザイクがかかる仕様はいいですね。