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「ホチキス」レビュー

ホチキス 初回版ホチキス 初回版
(2012/02/24)
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のレビュー、感想です。
 とにかく言いたいことだけ言ってます。仕事の休憩時間中にちゃっちゃと書いたので、かなり短め。全く推敲すらしてない体たらくです。
【パッケージスペック】
・戯画仕様B4サイズの箱
・ディスク1枚+1枚
・マニュアル
・リセカード付


評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ△
グラフィック★
エッチ×
サウンド◎
ボイス◎
ゲームシステム★ 


僕は“ぷちまいん”を踏んづけた・・・のかもしれない。踏んだのか踏んでないのか、なんだかはっきりしないけど、もどかしさと歯がゆさが募る作品。作り手が何を作りたいのかが伝わってこない。不器用さ、中途半端さが窺える内容で、ある意味、「萌え」の被害者の一人とも言えるだろう。

 「ひなたテラス」に、ちょっとしたラッキーアイテムを組み込んだかのよう。ただただ凡庸で、坦坦としていて、とにかくありきたり。何の変哲も無いエロゲーと言っていいだろう。


 ふと思ったんだが、「萌えゲーを作ろう!!・・・・・・・はて、“萌え”って具体的になんのこっちゃ」となるから、いざ「萌えゲーを!」と意気込んでも、どっちつかずになりがちなんじゃないか。いい原画、いい音楽、いいシナリオ・・・・どれか一つでもパーツが突出していたら、その作品が面白くなる、とは限らない。結局のところ、トータルバランスが重要なんじゃないかと思う次第だ。
 そこここが巧くミックスされてたり、相乗効果を生んだり、挙句の果てに、なぜかよく分からないが巧く嵌まった作品なんてのも現にあるわけで(理論度外視の感覚的な成功?)。萌えゲーが萌えゲー以上のものに化けにくいのは、こと完璧な萌えというのが、キャラクターだったり、物語だったり、絵だったり、多種多様なカテゴリからの養分をうまーく吸収して育ってるからだと思う。全て高品質であれば良いとか、どれかを突出させて他をカバーすればよい、といった話でもなかろう。これについては、力点を置いた部分の「魅せ方」の問題とも絡んでくる。


 それでいくと、本作品のアキレス腱はシナリオ、とくにエロが弱すぎるという事になるだろう。ここの力の入れ具合は明らかに変。おかしい。
 何よりも、三咲ルートを担当したライターの、エロに対する筆不精が腹立たしい。エロシーンの体感的な尺の短さは、早くも2012年度ナンバーワンを争えるほどの代物だ。
 三咲の3つ目の回想で、僅か150クリック程度のうちに主人公は2度イッてしまう。しかもそれで回想終了。おいおい、いくらなんでも主人公が早漏すぎやしないか。全く実用面を考慮に入れてないあたり、エロゲーとしてはいかがなものか。
 他のルートのエロもなかなかに酷いが、三咲だけは突出している。昨今のエロゲーにおけるエロの濃度からすると、要領を得ない濡れ場の端折り具合が気になる。「ひなたテラス」→「ホチキス」と続く流れの中で、和姦ものという言葉を免罪符化している感が強い。

 シナリオは序盤笑えるものの、息切れしたのか後がさっぱり続かない。萌えゲーにはありがちだ。幸太郎はアクが強いキャラでインパクトがあるが、如何せんサブキャラのバカさ加減は、日常にしか浸透しない様子。日常描写ではテンポが弾むものの、個別ルートになると徐々に厳しくなっていく。
 結局、「エロさえよければ、まだ―――」という評価になってしまう。


 原画陣は、「ひなたテラス」からの納得の抜擢であるmarui、みことあけみ両氏が相変わらずいい感じ。ビジュアル面は、立ち絵に若干の違和を感じるものの、イベント絵はやはり綺麗。彩色には脱帽の一言だ。
 声優陣のキャラクターとのマッチング具合もなかなかのもの。調和がとれている。歌も悪くないどころか、それなりに聴けるときた。



だが・・・・・。



 ストーリーとエロが締まらないぶん、いずれの魅力も半減といったところである。結局、中途半端な萌えゲー、、、よく分からない作品になっちゃってる。

 俗に言う「戯画マイン」を踏んづけたほどの衝撃は感じられないのだが、何かを踏んづけた感じがした。恐る恐る靴の裏を見るような、そんな感覚を味わうプレイヤーもいるかもしれない。



【雑記】
 一応バッドエンドアリ。浩之と雅史でした。
 分岐が画一的なのも気になるところです。レトロ臭を残す必要はないと思います。なんだかなあ。

三咲はビッチでエロエロなキャラのほうが受けそう。エロシーンが短すぎるので、キャラの魅力も殺されてるのがもう。
素材は揃ってただけに・・・・・・・もったいない。
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「DOUBLE」レビュー

鬼門妖異譚+DOUBLE鬼門妖異譚+DOUBLE
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のうちの「DOUBLE」のレビューです。
 「DOUBLE」単体の画像がアマゾンになかったので、ダブルパックの画像を拝借・・・するほど古い作品ということです。

【パッケージスペック】
・キャラメル箱
・CD4枚組(ディスクレスは不可です)
・マニュアル1冊


評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ○
グラフィック★
エッチ○
サウンド◎
ボイス△
ゲームシステム○ 


発売から10余年、時の流れと共に戦闘システムは古拙さを露わにし、シナリオは幾多の作品の下に埋もれ、コンフィグまわりでさえも、さほど秀でた存在ではなくなってしまった。だがそれゆえに、本作品は、ちぇりーそふとの確固たる代表作の一つとして認知されるべきだと思う。


 10年以上も前のゲームですから、そうやすやすと手に入れることも叶わなくなってきました。今となっては本作品単体を入手するのは難しく、「鬼門妖異譚+DOUBLE」パックを手に取る人も減ったように思います。
 CD版はディスク4枚組。スタジオエゴ然とした太めのキャラメル箱からは、一昔前に流行ったエロゲーの匂いがぷんぷんと漂います。
 動作環境は、windowsの95,98、2000までと明記されていますが、XPでも問題なく動作しました。一応、ご報告をば。


 おっと、雑談はここまで。レビューに移りたいと思います。思い出は美化されるので、たった今、あらためてプレイしてみた上での感想です。




 ざっくばらんに言って、古典的名作と言える域に達していると思います。レトロな感じのするSRPGとオーソドックスなAVGを軸に、物語は12の章で構成されています。これら二つのパートを交互にこなしつつ、ストーリーが展開されていきます。


 SRPGパートの出来はいまひとつ。スパ●ボ風のターン性バトルそのままに、さらに、それを簡略化したものを想像してもらえると助かります。
 ・・・・・そうですね、私がこのレビューを書いている時点で、発売からはや10年の時を経ています。それゆえ、いまプレイすると、いわゆる思い出補正を受けやすい作品と化しているのは明らかです。この古めかしさ(悪く言えばチープさ)は、到底隠し通せるものではありません。
 
 さて、本編では難易度をイージーかハードに自由に選択できるのですが、なぜノーマルがないのか、理解に苦しむ仕様です。イージーにすれば、レベル上げをする必要がなく、サクサクと読み進むことができ、ラスボスでさえも、たちどころに打ちのめしてしまいます。まったく張り合いがありません。
 かと言ってハードにすれば、レベル上げの段階で躓くこともしばしば。序盤の敵が強すぎて、とてももどかしい思いをします。

 ここらへんの匙加減は、発売が2001年ということもあってか、かなり大味という印象を受けました。若干、操作性にも難がありますが、慣れればどうと言うことはありません。
 今でもなんとか実用に耐えうるレベル・・・・・といったところでしょうか。二周目からは戦闘もスキップできます。ただし、たとえ発売当時でも、戦闘スキップを駆使せずにリトライできる代物じゃないですね。この機能は、完備して正解だと思いました。

 敵のレベルは、こちらのレベルの平均が上がる度に上がっていく様子。主人公とヒロイン(1周目はアリス)を強くしていたら、他のメンバーが追いつかなくなり、容易に戦闘に出せなくなりました。プレイヤーの理解度によって、若干、選択した難易度に誤差が生じることでしょう。

 時代と共に取り残された本作品の戦略性は、砂時計の砂と時間の関係と同様に、既に評価が限りなく落ちきってしまったと言えましょう。これ以上、急激に下がる事は考えにくいものの、かと言って、評価が上がるような椿事も、また起こりえないと思います。
 お世辞にも当時の評価が高かったとは、忍びがたい完成度でした。大盛ペヤ●グのように、ボリュームだけはバツグンなんですけどね。

 なお、登場するキャラクターとの合体技は必見です。最低でも、各キャラ一度は見ておきたいところです。



 この時期としては珍しく、レベル上げのステージとして、100階層ものダンジョンが用意されているのは好ポイント。しかも、ここに数枚のCGが隠されているのですから、ステージクリア→ご褒美CGという古き善き(悪しき?)時代の名残とともに、やりこみプレイの魅力もそこに垣間見えます。贅沢を言えば、単調に過ぎるので、数フロアごとにボスを設けて欲しかったところです。
 それにしても、その場に居合わせていないキャラを戦闘で使用できるのはおかしい……まあ、ちぇりーそふとだし、別にいいか。10年も前だし、別にいいか。



 シナリオはタイトルどおり表裏一体。表と裏の二つの言い分をきちんと聞けるシナリオ構成で、これはなかなかお目にかかれるものではありません。勧善懲悪ものにて表裏双方の正義を描いたこと・・・・それ自体は評価して然るべきと感じます。テキスト量が多くなった影響か、ところどころ襤褸がでていますが、なんとか破綻させずに描ききっている点は、薄氷を踏み越えたも同義で、体感的に褒めちぎりたいところ。
 ただ、皮肉な事にエンディングを数多く作りすぎている感は否めません。それぞれの話が形骸化しており、コアたる物語の判別がつかないのです。どれが正しい話でどれが間違っている話という以前に、そもそも、この物語には幹の部分がまったく見当たらない。心に残りにくい内容になってしまっています。純愛3Pにも議論がありそうです。
 プロット自体は非常に重厚なつくりを思わせるものの、物語における分岐の多さが災いしています。薄く切ったパンのようなペラペラ具合になってしまっては、全体的に薄く見えるのも無理のないことではないでしょうか。


 コンフィグは周回を重ねることを前提としているせいか、そこかしこに配慮の行き届いた設計となっています。

・未読であっても設定でスキップ可にする機能
・スキップ機能そのものの快適さ
・2周目以降の戦闘のスキップ
・今ではほぼ絶滅したであろう「ヒント」機能

などなど、いまでも実用に耐えうるつくりです。均一化が進んだエロゲのコンフィグですが、本作品は、一歩先に進んだ独自のユーザビリティを有していたように案じられます。
 また、当時としては物珍しい「スペシャルスタート」機能を備えていた点も見逃せません。これは、戯画がバルドシリーズで多用するシナリオチャートと似て、任意の章からのスタートが可能という代物です。これがあるとないとでは、プレイ中のストレスが大いに抑制されるのは言うまでもありません。部分的にではありますが、今に通じる仕事をやってのけています。拍手。




 さて、講評はエロの方へ。もう少し続きますがご容赦ください。



 「2001年のエロゲーにしては」、という前置きをつけておきますが、エロシーンの絶対数は昨今のエロゲーと比べても遜色ありません。実に30シーン強も取り揃えてあり、プレイも純愛から鬼畜まで多岐に渡ります。シチュエーションにおいても、「二穴二本挿し」ではなく「一穴二本挿し」という、なかなかアブノーマルなエロまで取扱っている際物です。
 しかし、エロゲーにおけるエロも、嗜好が時とともに移り変わりました。その間、文章にしろ、ボイスにしろ、技術的な向上があったのは紛れも無い事実です。そこを鑑みれば、

・絶対数の多さから来る各エロシーンの尺が短い点
・精液描写がかなり薄い点
・エロシーンのテキスト自体がさほど濃密でない点
・声に物足りなさを感じる点

などがネガティブな要素として挙げられ、実用品として見るには、やや厳しい内容だと言わざるを得ません。それ以前に、「UNBALANCE」や「EXILE BLOOD ROYAL II」といった他のちぇりーそふと作品のエロのほうが、本作品よりも優れていることも相俟って、思った以上に、本作品のエロに対する評価は敷居が高くなってしまってます。
 とは言え、主人公以外は男も含めてほぼフルボイスという豪華な仕様です。エロゲー全般に対する声優さんの能力的、技術的なレベルが今ほど高くないことを考慮すれば、耳がちょっと寂しく聞こえるのはご愛嬌といったところでしょうか。ボイスに関しては、目を瞑りたいところですが、なかなかそれも出来難いものがありましたけど。


 原画はあきら女史とタカーキ氏。ちぇりーそふとの全作品で原画を担当した、あきら女史の美麗なCGが目を惹きます。
 美人という二文字が相応しい女性陣と、優男・イケメンという表現がしっくりくる男性陣が特徴的。昨今の萌えからは一線を画す、中性的な画風と言って差し支えないと思います。一目見て、その人と分かるインパクトは今も健在。僕の中では、純愛、鬼畜を問わずイケる原画家という印象を、強く持つに至りました。
 女学生Aや研究員Bといった、モブキャラクターの立ち絵まで用意しているあたりが心憎い。並々ならぬ作品愛を感じ取れます。ただ、男キャラクターはどちらかというと苦手のご様子。女キャラクターを描いた方が、映えていた原画家さんだと思います。ちぇりーそふとが現存しないのは誠に惜しいところです。


 そのちぇりーそふと固有のキャラクターが多数登場するため、他の作品をプレイした事があれば、思い入れが深まること請け合い・・・・・・・あ、忘れていましたが、主人公のデフォルトネーム「早瀬純」は、昔ながらの変更可仕様です。文脈では「純」と表記していながらも、登場人物は主人公のことを「彼」とか「アイツ」とか呼ぶので、久々にむずがゆい気持ちになりました。分かる人には分かるはず・・。
 それにしても、ちぇりーそふとの主人公というのは、なぜデフォルトネームが必ず「純」なのか。別の作品でカタカナになっても、純はジュンです。何らかの意図があってのことだと思いますが、これは詳しくは分かりません。

 そう、思い出したついでにもう一つ。
 本作品は、声優の柚木かなめさんの事実上の処女作でもあります。幸運にも「同棲ラブラブル」(三枝奈々子役)をプレイした直後にそのお声を聴いて、その努力と研鑽の跡に、素人耳ながら感心させられました。濡れ場の演技に、天と地ほどの差がありました。なんだか面映い気持ちすらします。



 色々と脱線しつつ、話を進めてまいりました。長々とお付き合いいただきありがとうございます。



 いずれにせよ、本作品はちぇりーそふとの代表作の一つとして語り継がれてもよいレベルの作品だと思わされました。決してクレバーな出来とは言いがたいんですが、凌辱と純愛を兼ね合わせた多岐に渡るエンディングや、やりこみ要素のあるSRPG、色褪せないコンフィグまわりなど、ちぇりーそふと諸作品では随一の出来と言って、まず間違いないように思います。

 こんな作品を語り継ぐ事ができれば、エロゲプレイヤー冥利に尽きます。



【再び雑記】
 「印旛沼」や「仁右衛門島」という地名を章ごとのタイトルに用いたエロゲーは、後にも先にもこれだけだと思います。作中のいたるところに、千葉県(作中では千葉府ですが)の地名が登場し、いたるところに南総、房州愛が見受けられました。

 近未来的でありながら、自動車や漁師町などの描写から、どこかレトロな感じも受けました。世界観が歪んでいる気もしますね。

「同棲ラブラブル」レビュー

同棲ラブラブル同棲ラブラブル
(2012/01/27)
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をレビューさせていただきます。

【パッケージスペック】
・A4サイズキャラメル箱
・ディスク2枚組(ゲームディスク・音楽CD)
・説明書

評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ★ いちゃラブゲー上位であることは確か
グラフィック○ 気になります。乱れがあります
エッチ○ グラフィックに引っ張られてます。弱い、です
サウンド◎
ボイス△ 声優さんの変更が響きました
ゲームシステム◎ 


実に人を食った、シニカルなタイトルだと思う。目の色が変わったのは、何もプレイヤーだけとは限らない。


       千夏は、

       花穂は、

俺の    つぐみは、   そんな死んだ眼をしていない!

       さつきは、

       奈々子は、



一部からは、そんな怨嗟の叫びが聞こえてきそうなゲームである。


 「いちゃラブなエロゲーと言えば?」と秋葉原のエロゲーマー諸兄100人に聞いて、おそらく、そのうちの何人かが口にするであろう「ラブラブル」。その後日談を描く。


 同棲という大義名分の下に、イチャイチャしまくるバカップルたちの性活、もとい生活を、ただひたすらに追いつづけるストーリー。萌えるというより甘い。なんら加工していないドキュメンタリーを見るような感覚を覚える。
 そのため、恣意的な見せ場や盛り上がる場面は殆どと言って存在せず、仲睦まじい二人が、結婚への階段を足並み揃えて登っていく前途洋洋たる様が、他愛のない会話や言葉の掛け合い、日々の暮らしと周囲の暖かい視線などから、容易に見て取れるはず。

 いちゃラブを大いに謳っているだけあって、その自信の程は、単なる張子の虎ではない。僕には、奈々子さんがしっくりきた(醸し出される雰囲気とシナリオが好み)ものだが、5人のヒロインの中で、本編でも、いちゃラブに定評のあった花穂はやはり別格。彼女と同棲したストーリーの糖度の高さは、そんじょそこらの萌えゲーを一蹴するほど甘ったるい。

二次元におけるいちゃラブの真髄を知り尽くした人が作った、まさにいちゃラブ中のいちゃラブ。各シナリオは、公式ホームページのコンセプト通り。看板に偽りはない。
 CGには見逃せない粗があるし、さつき役の声優さんが変更となったのは残念だったけれど、総合的な完成度の高さには舌を巻いた。

 

 さて、この作品で波紋を呼びそうなのは、予想だにしなかった濡れ場の展開である。純愛の範疇にありながら、SMEEは自ら小骨を作った。鵜呑みにできないのである。
 いずれのシーンでも、ヒロインが眼から光を失うのは、はて、いかがなものだろうか。

 いわゆる、“レイプ眼”というヤツである。この表現を苦手とするユーザーもいるだろう。ましてや、純愛ゲー界隈では、なかなかお目にかかれない表現であるからなおさらだ。かくいう僕は耐性があるのだが、それでも、この表現の多用には疑問を覚えたほど。

 いちゃラブとレイプ目は、サンゴとクマノミの関係にはなれない。視覚的にはアリでも、感覚的に共存できないと僕は思う。レイプ目が、いちゃラブの一つのキーワードとなりうる“純愛”や、“幸せ”の象徴として、機能しないとみるからだ。

 この表情を注視していると、寝取りや陵辱といった、どこかダークな展開に見えてしまうことはないだろうか。彼らの同棲模様を見て、エッチの部分だけは、“寝取り”に近い感情が胸中を渦巻いてしまった。
 それは、“プレイヤー(多くは男)から見たヒロインの幸せ”をどこかに吹き飛ばしてしまい、純愛ゲーにもかかわらず、征服欲が満たされるという、不思議な感覚を味わうに至った。ジョークとは分かっていても、感覚がそれを受けつけなかったわけだ。

 誰が言ったか、“凌辱ラブラブル”とは、これいかに。聞けば聞くほどおかしな響きである。その意味では、実にシニカルなゲーム。萌えゲーマーを皮肉っているとすら思う。




 思い返してもみてほしい。この作品をプレイし終わった後しばらくして、記憶の引き出しから、思い出として取り出されるものは何か。

 あの眼ではないか。楽しい思い出とともに、あの眼が取り出されてしまうだろう。いちゃラブと銘打っているからこそ、レイプ眼は記憶の箱から取り出したくない。それを許さないあたり、実にSMEEは素直ではない。



 作中にて、最も不自然で、最も作為的で、最も疑義を挟みたい部分は、まさにその一点に集約される。




♪描いてた夢があるの (オープニング)


否、僕にとっては悪夢である。




[雑記]
 髪形を変えられるのだから、
レイプ眼の有無も、カスタマイズできればよかった。
そう思わずにはいられない。
【!ちゅうもーく!】
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【ヤキモチストリーム】応援中! 『PRETTY×CATION』を応援しています! ま~まれぇど新作第9弾『プライマルハーツ』
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Author:Atora
エロゲレビュアー歴10年目。ゲームは基本的に雑食。まわりの評判と自分の直感でプレイするものを決めるタイプ。クロシェットの大ファン。仕事が多忙につき、更新頻度が大幅に落ちています。
何かご用がありましたら lycaon-theあっとjoker.117.cx  までお願いします。

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