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「倉野くんちのふたご事情」レビュー

倉野くんちのふたご事情 初回限定版倉野くんちのふたご事情 初回限定版
(2012/11/30)
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のレビューです。

双子丼を期待していたんですが、結構な肩透かしを食らった印象です。
なんか抜きゲーとも思えんのですよ。数は多いけど抜きゲーはこんなもんじゃないと思う…。
そもそも双子である必要あったのかしら。

評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ・テキスト△ えっと、双子はどうしちゃったんでしょうか
グラフィック◎ 兼清さん。以前よりも、若干幼い描き方になったような?
エロ○ 数は多いんですけどね…
サウンド○ 主題歌は安定
ヴォイス★ 妥当な人選ですが、松田さんは意表を突いたキャラのほうが面白い気がします。お姉さんと言うよりも、あれだ、『アリアンロッド・リプレイ』のノエルみたいな。
ゲームシステム◎ 合格。セーブ箇所は☆ですが、そんなに使いません(笑


『倉野くんちのふたご事情』と言うよりも、『倉野くんと姉妹事情』と言ったほうがしっくりくる作品。エロゲーならではの双子丼が何故かなりを潜めたため、“双子”という根の部分がタイトルの持つインパクトよりも弱く感じられる。抜きゲーと言うには物足りず、シナリオゲーと言うには中身に乏しい一作。


 よく分からないゲームだった。3つの双子という頑強な土台がありながら、蓋を開けてみれば、個別シナリオ5つ+ハーレムという定型一辺倒の内容だったからだ。双子を有効活用しない構成に疑問を覚えたのは、おそらく私だけはないはず。1×6を2×3にしたところで、話の筋が1×6のままであれば、思い切って用意した3つの双子も水泡に帰すというものだ。


 双子には夢がある。なんと言っても双子丼だ。今作の双子は3組6人で、しかも上から4番目に主人公♂。あとはみんな見目麗しい女の子とくれば、めくるめく姉妹双子丼を夢見てもいいだろう。近親相姦まっしぐらなわけだ。それに加えて、今作は見方によっては5姉妹ともとれる。双子という組み合わせに拘らず、姉妹選択もよりどりみどりとくれば、ハーレムでも期待できる要素を数多く秘めていた。実に“そそる”シチュエーションを待ち望んでしまうではないか。


 しかしなんと残念なことか、このゲームのシナリオは、あろうことか双子そのものを軽視した。設定に比して、エロの方向性を違えたと断罪せざるを得ない。そもそも双子かけることの3という無茶な設定を通しているのだから、もう行くところまで行っちまってほしかった。それなのに、やれ両親の仲直りだの、やれ双子設定を蔑ろにした個別ルートだの、どうにもシリアス臭がぷんぷんする流れ。これには開いた口が塞がらない。
 あのね、そういう窮屈な物語を読みたかったわけじゃないんだ。双子のどちらかを選ぶなんて、苦渋の選択は必要ないんだ。双子とイチャイチャしたいんだ。弾けたエロでいいんだ。双子丼を食べたいんだ。これらのエロゲ的欲求は欲張りだろうか。


 この意識的な違いは、どうやらエロにまで波及したようだ。極めつけはオーラルセックスの割り振り。私はこれをエッチとは認め………ない、と言うよりも“エッチシーン”として認めたくないなあ。
 『マテリアルブレイブ』の時にも強く感じたことだが、オーラルを一つの回想シーンとして完結させるのは、やはりいかがなものかと首を傾げる次第である。前戯は前戯でしかないわけで、そこから本番以上のエロスを受け取るのはなかなかに難しいと再確認した。そもそも双子丼ありきのシチュエーションで、オーラルに少なからず傾倒した意味が分からない。ここに注力するくらいなら、もっと双子丼で本番してくれたほうがまだ救いようがあるというものだ。双子シチュはハーレム以外ではなんら役に立っておらず、ストーリーをシリアスにしているだけ。ほぼ形骸化していると言っていい。これではエロ成分の水増しに過ぎないではないか。


 つくづく融通が利かない話だと思う。双子を題材としているにしても、ハーレムではいくらでもやりようがあるだろう。例えば長女+次女、三女+長男、四女+五女といった組み合わせだけでなく、長女+三女だったり、次女+五女だったり、それこそ枠に収まりきれないほどの可能性を秘めていたはずだ。ところが、このゲームではどういうわけか個別ルートに尽力しており、次いで双子のオーラル重視という、よく分からないつくりをしている。ハーレムはグランドルートの扱いを受けているにもかかわらず、エロのボリュームがまるで足りていない。双子という設定が自縛気味になってしまうと、時としてこうなってしまうんだろう。


 それでいて当の個別シナリオは、普遍的なエロゲーのそれとなんら変わらない代物。長女と次女、四女と五女はそれぞれ選択肢でルートが分岐する。これに三女とハーレムの合わせて6つのシナリオ。この個別ルートに双子としての魅力は皆無と言ってよい。3つの双子という強烈なスパイスも、結局はその程度の話で収まってしまうわけだ。私には、双子設定をおもにエッチ方面で犠牲にして、物語を淡白にした意図がまったく見えてこない。正直に言って期待はずれである。


 ただ、萌えゲーやキャラゲーという範疇ならある程度の評価を得そうな作品ではある。妹の双子が人気投票でも好評を博したように、ユーザー次第ではキャラクターがツボに嵌ることもあるだろうから。ビジュアル面は兼清さんのポップな絵柄で不自由はしないとみる。抜きゲーとまでは到らないが、キャラゲーや萌えゲーユーザーにとってはあるいは狙い目なのかもしれない。
 3つの双子という絶好の題材を全面にアピールできなかったのは大いなる失策で、突き抜けきれない萌えゲーという印象をハーレムエンドの最後まで払拭できなかった。“3つの双子をどうするか”ということに精一杯で、“双子とどうしたいか”というエロゲーならではの欲求を忘れてしまった作品。製作者側の明確なビジョンが見えづらく、シンクロしにくい一作と言えるだろう。



【雑記】
 みことねえちゃんの特典(トレーダー)は斬新で良かったと思います。シミつきパンティーを広げた特典CGはなかなか見ない。
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「恋色マリアージュ」レビュー

恋色マリアージュ恋色マリアージュ
(2012/10/26)
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うっかり投稿するのを忘れておりましたので、あわててこちらにもUPしました。短評です。

中古の価格は安くなってますので、懐が寂しい方はそちらで手に入れたほうがいいでしょう。
評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ・テキスト 難があります
グラフィック☆ 相変わらずのクオリティの高さ
エロ★ ここはいいんですけどね、全体のシナリオが……
サウンド○ 並です。特筆する点はなさそうです
ヴォイス◎ ヴォイスの収録関係でミスがあったのは残念でした
ゲームシステム○ いつもどおりでした。使い勝手は若干残念な部類かと思います

 濃いエロシーンを伴うエロゲーではあるが、支離滅裂でつまらなかったストーリーが平坦になっただけで、つまらないことには変わりがない。本質的にはなんら変化の見られないまあまあれぇどゲーの一群。


 やっぱりエロだけ。そこはもちろんエロゲーとして重要なファクターなのだが、このま~まれぇどは、とりわけシナリオ作りが下手なブランドだという認識がある。よく分からないうちに、突拍子もない方向へとんでいくシナリオは、このブランドの名物、もとい迷物と化している。
 今作はいたって普通のシナリオ。非常識な展開にはならないし、機械仕掛けの神様も降臨しない。どこにでもあるシナリオと言える。


 だからこそ、つまらない。


つまらないというま~まれぇどの本質は、処女作から今までずっと変わらない。いくらキャラクターを一新しようが、物語を180度転換しようが、読んでて読者を惹きつける要素に乏しい。「らぶ2Quad」のレビューにも書いたが、そろそろこのつまらなさが秋の風物詩として定着しつつある気がしてならない。


 素晴らしいビジュアル、卓越した塗りは健在。実用性に適った視覚効果の強い構図で、実力派グラフィックチームがいるうちは、ま~まれぇどは安泰と言っていいだろう。それだけに鳴かず飛ばす久しいシナリオチームの奮起を待ちたい。優秀なグラフィッカーズをこの程度のシナリオに充てている点は実にもったいないと思う。

 結局、いつものま~まれぇどの作品だった。敢えて飛び込む必要はないだろう。それこそ、突拍子もないことなのだから。


【雑記】
 縞パンは脱がしちゃ駄目だ。

「ないしょのないしょ」レビュー

ないしょのないしょ! 初回限定版ないしょのないしょ! 初回限定版
(2012/11/30)
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これはまた、けしからん作品が出ましたね…。『ものべの』、『おたマ!』に引き続き、ロリー垂涎の一作ではないでしょうか。プレイしてみて罪悪感が沸きました。
 ところで、ここまで低年齢っぽい洋ロリは、エロゲー界隈ではあまり見ない気がします。よく出せたなあ、と。その点はユーザーとして感心しております。

評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ・テキスト○ 変態が滲み出ているテキストです
グラフィック・演出★ ふくみみ氏。評価は後述
エロ★ 踏み絵。好き嫌いが分かれる内容ですね
サウンド○ サウンドに力点を置いたゲームではないです
ヴォイス★ いい感じです。人選は正解か
ゲームシステム◎ 使い勝手は悪くないです

 実にけしからんロリゲーだが、この選択はブランドにとって実に正しかった。突き抜けたがゆえに、他では見られない魅力が詰まっている。


◆シナリオ◆
 読み進めるうちに、なんだか申し訳なさが募ってきた。主人公は子供に絵本を提供する作家という立場にありながら、異母姉妹である双子に対して邪な感情を抱き、抗いがたい性衝動に支配されていく。要するに、どうしようもないロリコンなのだ。
 そして、いざ双子と同じ釜の飯を食むようになってからは、理性と獣性の間で揺れ動くようになる。理性ではタブーだと分かっていても、欲望に流されやすい非常にアブない人物なのだ。これを隠れ鬼畜と呼ばずしてなんと呼ぼう。ここまでの傑物とシンクロするのは人によっては難しい。


 エロゲーユーザーの中には、幼女と純愛を貫くことを夢見る穏健派と、凌辱することも厭わない過激派に分かれると思うのだが、前者に属するユーザーにとって、この作品の主人公は羨ましくも妬ましい存在と映るはず。なんてったって、おもらしを特農(※1)ミルクと形容したり、パンツを脱いでからの時間を言い当てるチート紛いの能力の持ち主だったり、終いには我慢できなくなって双子を孕ませたりするようなアンチヒーローなのだから。低俗すぎる彼と同化するには、ニッチすぎる経験値が必要になってくる。
 狼が赤ずきんちゃんを食べてしまうかのように、主人公はいたいけな双子を毒牙にかけていく。身体が空気を求めて呼吸するように、自然に双子を手篭めにしていく。彼の嗜好からして、これはもう愛でているとは到底言いがたい。ただの変態生物である。


 幼稚さを浮き彫りにしたパッケージとは裏腹に、内容は思った以上に禁忌を孕んでおり、常に蠱惑的で危うい。本質的には双子を愛でるという目的がありながらも、抑えきれなかった性衝動という事実が克明に描かれており、結果としてなんともいたたまれない気持ちになってしまう。悪戯やシモの世話がエスカレートして事に至ってしまうだけに、ロリコンの夢を描きつつも、自戒的な意味を込めている様にも見受けられる。


 純朴な幼女はたしかに眩しいのだが、これは単純に双子の幼女とちゅっちゅラブラブする話ではない。ごくごく当たり前に冥府魔道へと堕ちていく主人公がどことなく自分に重なり、仄かな罪悪感を募らせてしまった。この作品の怖ろしいところは、作中に重篤なまでの犯罪臭を漂わせている点である。実にけしからん。



◆グラフィック・演出◆
 同人時代から定評のあった、ふくみみさんの商業2作目。もともとロリに精通したぷにっとした絵柄が特徴的だったが、今回もその実力を遺憾なく発揮。あどけなさの残る二次洋ロリは、煌びやかな存在感がある。いかにもその道の人間が好みそうな幼児体型に、柔らかさを演出するやさしい線が魅力的だ。



◆キャラクター◆
 直球も直球。これを18歳として売りこもうとするブランドに余慶あれ。幼さを全面に押し出したキャラクター造りで、コンセプトが非常に分かりやすい。やれ潔し。



◆エロ◆
 回想の数が多く、人によっては総じて実用的。ロリコンの夢が詰まっているので、ともするとエロシーンの評価が踏み絵の役割を果たしかねない。
 惜しむらくは、シーン数の多さのせいで、1シーンあたりのCG枚数を抑えざるを得なかった点。数を取るか質を取るかというのは常にデリケートな問題。ただシナリオと設定を鑑みれば、質よりも「しょっちゅうえっちなことしててもいいよね、18歳以上だから☆」と乱れ打つほうが分かりやすいし、ウケはいいだろう。この作品では、キャラクターからエロに至るまで、それが頑固なまでに貫徹されている。

 ゲーム内の選択肢で、人の道にもとる選択をしていると、主人公はブラックにゅうしさん化してしまう(より過激なエロに走ってしまう)ようになる。たとえば葉月ルートにて、ローターをお○んこに押し込んだまま肉棒で突いちゃうシーンがあるのだが、これはとくに悶絶ものだ。並のエロゲーではあまり見られないシチュエーションだが、ロリっ娘の狭小であろうお○んこで表現しようとした製作陣の心意気やよし。本気度が伝わってくる。



◆サウンド・ボイス◆
 ヒロインが年端もいかぬ(18歳の)子供ということで、声優さんについては表現力が問われる人選だったと推察する。聡いロリとアホなロリ。対照的な2人の声優さんをもってきたことで、双子の魅力は相乗的に上がったように思われる。

 天真爛漫な恋ちゃんを演じたのは桃也みなみさん。彼女はどこか抜けている天然ボケしたキャラクターを演じるのが非常に上手い。若干舌足らずな印象があるのだが、今回はそれが大いなるアドバンテージになっていると思う。『ピュアガール』の妹がいい例だろう。
 理知的で聡い葉月ちゃんを演じたのはshizukuさん。時折見せる知性やその対応、所作の表現が好印象。葉月ちゃんは双子の中でのお姉さんポジで、そこらへんの賢さを意識した演技だったように思う。


 音楽に関しては結構独特だ。主人公がタブーを犯してイケないことをしているシーンでは、どういうわけかダンディーで渋い曲が流れる。ところが、これが予想外にいい雰囲気を演出してくれる。物語に対するMeeonさんの理解が詰まっているように思われる。OPはPOPでキュートな曲調。こちらはイメージ通りの印象だった。全体的にはそつがない。



◆総評◆
 分かりやすい抜きゲーだと思う。前作では、コンセプトらしきコンセプトがあまり強調できていなかっただけに、今作のような明快な路線変更は正解だろう。決して一般うけはしないが、その中に明確な指向性が感じ取れる。ニッチなジャンルにしろ、強力なペド属性を印象付けたのは紛れもない事実。
 ふくみみさんのロリ受けする絵柄を最大限に活用した今作は、まさにロリコン専用の一本と言っていい。大っぴらにできる内容ではなく、むしろ背徳感のゲージMAXと言って差し支えない異色の作品。ロリっ娘を手篭めにして、イケないおにいちゃん気分を存分に味わえる内容だ。歴戦の変態紳士をして、唸らずにはいられない逸作となりうる可能性を秘めている。ロリの扉を開けた者、開けようとしている者は、是非その手にとってほしい。



【雑記】
 主人公は水梳聡里は小五ロリのアナグラム?

水梳聡里→みなすきさとり→皆好き悟り→皆好き小五ロリ

※1 おそらくこれは「濃」の誤字だろう。
【!ちゅうもーく!】
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エロゲレビュアー歴10年目。ゲームは基本的に雑食。まわりの評判と自分の直感でプレイするものを決めるタイプ。クロシェットの大ファン。仕事が多忙につき、更新頻度が大幅に落ちています。
何かご用がありましたら lycaon-theあっとjoker.117.cx  までお願いします。

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