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「魔導巧殻」の感想に寄せて

魔導巧殻~闇の月女神は導国で詠う~魔導巧殻~闇の月女神は導国で詠う~
(2013/04/26)
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Atoraの「魔導巧殻 ~闇の月女神は導国で詠う~」の感想

 これはレビューではありません。半プレイ日記みたいなものです。
 実は、プレイ中に修正パッチが出てしまい、感覚的に混乱してしまいまして、自分の中での作品の評価を統一できそうにありませんでした。
 僕はプレイしながらメモ取ってることが多々あります。今回は、それらを逐一編集するとわけがわからなくなりそうだったので、メモや思ったことをそのままの形で投稿しました。乱雑にも程がある書き方になってしまったんですけれど、これは今回限りにしますね。

 それにしても、今回ばかりはエウシュリーらしくなかったですね。修正が早かったのはもちろん良かった。しかしながら、これまで、作品のシステムはそのままに、細部をリペアすることで質を向上させて失点を補ったエウシュリー作品を他に知りません。なので、多大な賞賛と、ほんの少しの驚きをもってこの作品をプレイさせていただきました。アペンドに期待します。
 評価が難しい作品ではありましたが、生々しいプレイ状況が少しでも伝われば幸いです。
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「ひとつ飛ばし恋愛」レビュー

ひとつ飛ばし恋愛 初回限定版ひとつ飛ばし恋愛 初回限定版
(2013/04/26)
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「ご無沙汰してます」、はもう飽きました。こんにちは。あとらです。

 ちょっと公私でゴタゴタしてまして、筆を執るより先に、色々と調べものをしたり、旧知と連絡を取り合ったりと、休まる暇がありませんでした。大学時代と比べ、どうしてもレビューの執筆速度が格段に落ちてしまってますね。正直悔しいです。今日は余裕がありますので、できればもう一つ書きたいんですが、一つ書くと頭が満足してしまいます。今夜の僕の頭次第ですね(苦笑


 さて、新作の命は三日と言われている業界で、発売から2週間以上も経ってレビューを書き上げるのは、正直レビュアーとして失格に近いんですが、結果としてこの時期でのレビューとなりました。作風から言って、「理屈じゃねぇ、感じるんだ!」と言われればそれまでなんですが……。エロゲーライフの参考にしていただければ幸甚です。


ひとつ飛んでいるのは、ヒロインと主人公の間柄だけとは限らない。

評価(☆→★→◎→○→△→×)

 “ドキドキ○○恋愛シリーズ”第三弾。ASa projectの『アッチむいて恋』からの躍進ぶりには、目を見張るものがある。おそらく、スタッフがアチ恋で何かしらの手ごたえを掴んだのであろう。“笑”撃的だった『恋愛0キロメートル』で見られた、「お笑い」に対する明確な指向性は、本作でより深化していた。以下、勝手気侭なカテゴリ評。


◆シナリオ◆ ◎
 名状しがたい面白さは健在。ネタ一つ、ギャグ一つ、テキスト一文を取っても、勢いもセンスも存分に感じられる内容。アサプロ独自の豊かな感性は、他のブランドに真似できない非凡な才の存在を強く想起させる。大きなアドバンテージだ。ただ、その天与の資をもってしても、前作の壁は高かったようす。顔芸に代表される定型化しつつある笑いの種は、やはりどうしても新味に欠けてしまった。さながら、毎年のように新星のごとく現れて、ブレイクの後に何処へと消え去っていくお笑い芸人のよう。早くも次回作の出来を心配してしまう、伸び悩みしそうな一面も垣間見えた。最終的に、盛り上がるか白けるかは、プレイヤー次第。――いい方向にも、悪い方向にも――やりすぎている感が強い中、あくなき芸人魂をどこまで感じられるか。そこが、評価の要となってくる。
 各々が持つ笑いのツボは、感覚的なものだと思う。また、メタを多数含んでいるが、いちいち取り沙汰していては、直感的に楽しめるものも楽しめなくなってしまうだろう。これらの議論については、ここでは割愛する。

 個別ルートで失速した前作とは違い、最後まで笑いの精神を忘れていないのはプラス。夏芽ルートはメグの暴走が酷く面白味に欠けるし、りさルートは正直なところプレイしてて疲れる。しかしながら、総合的には、なかなか手堅く仕上がっていると言えるだろう。


◆グラフィック、演出◆ ◎
キャラ造形にかなり助けられている印象。萌えに強く、濡れに弱そうな画風。、キャラのCG画像でさほど優れているとは思えないが、安定感のある立ち絵は効果的。ギャグ絵はさておき、選り好みされるような絵柄ではない。また、いずのケンタさんの描くちびキャラは、以前にも増してかわいさを増した気がする。背景は圧倒的な臨場感があり、何も言うことがない。素晴らしい出来映え。
 『恋愛0キロメートル』にて、ユーザーに強烈な印象を残した注目の顔芸は、より過激なものへと様変わりした。シナリオ項で「やりすぎている」と書いたが、顔芸はその代表例。もはや人としての原形を留めていないのは、いかがなものかと思うが、それこそがアサプロの良い点でもあり、悪い点でもある。ある種の二律背反性を含むのは、詮無いところだ。
 前作では、なんの予告もなしに乃来亜が一発ぶちかましたものだから、観衆はみな「やられたw」とひっくり返ったわけだが、今回はあまりに観衆のワクワク感が強くて、笑うよりも「待ってました!!」という喜びのほうが強かったのではないか。一発芸の笑いという側面が強烈な印象を与えた前作とは違って、今作は仕込み芸に近いネタへとシフトしていたように思う。これを悪ふざけと取るか、メタの推進と取るかは、これまた人次第であるが、いずれにせよ、キャラクターが弾けているという事実に変わりはない。
 ゆえに、演出面において、より一層の強化を求めたい。伸びしろがあると思われるのは、笑いの種よりも、むしろこちらのほうであろう。たとえば、


“文字サイズが大きいところは笑うべきところ”


という演出ばかりでは、そのうちジリ貧になるのは明白。フォントを大きくして強調するのは、常套手段としての理解はあるつもりだが、あまりに使用頻度が高すぎて、気づけばしらけ鳥が飛んでいた。あーね。



◆キャラクター◆ ☆
 りさが抜きん出ているのは言うまでもない。共通ルートでのふざけっぷりに、「なんなんだ、こいつは…?」と面食らってしまった。慣れないうちは出てくるたびに鼻白むほど、ギャグの質が一線を超えている。あまりに強烈。こいつほどぶっ飛んでいるキャラクターは久々だが、それも、五行なずなさんの名演技あってこそ。収録はさぞ楽しかったに違いない。『笑の大学』で役所広司が演じる向坂睦男すら、本気で笑わせられるかもしれない。そんな身体を張ったギャグは、まさにアサプロの生命線と言っていい。
 ただ、りさが抜きん出ているからと言って、他が平均以下かと言うとそうでもない。碧里は慌てっぷりと少々ツンなところが魅力的。桜は予想外のエロ要員というのがギャップ受けしそうだ。唯一の常識人と言っていい夏芽だけは、若干キャラが薄い気がしないでもないが、作品を鳥瞰すると、その浮きっぷりが道化以外の何者でもないということに気づいた。なお、攻略不可能なキャラクターもまた魅力的。阿知華、紅は言うに及ばず、千乃のあまりの世話焼きっぷりに、思わず千乃OBASa………いや、なんでもない。


◆エロ◆ △
 エロが軸ではない作品と分かっていても、エロゲーである以上無視できかねるカテゴリ。ただでさえ、尺が短い濡れ場で固められている中で、殊更に碧里ルートのエロが薄く感じられるのは気がかり。もともとエロを過剰に求められていないブランドとは言え、限度というものがある。若干、テキストが不足しているきらいがあった。性描写の過程が、いささか一足飛ばしに感じられてしまうのは、決して気のせいではあるまい。こんなところまで、律儀にひとつ飛ばしにしなくてもよい。
キャラゲーの側面もあるのだから、キャラごとのエロの温度差を、如実に感じさせてはならない。この手のゲームのエロは、エロければエロいほどよい。最後のシーンなど、とってつけたかのようなお粗末なもの。僕には、エロを抑える必要性をどこにも感じられない。あざといエロくらいでちょうどいい。作中で、「過程すっ飛ばしすぎだよ」と、千乃おばさんが似たようなシチュエーションでツッこんでいたけれども、実際に飛ばしちゃいかんだろう、と思う。コレという強みがないのは残念。


◆サウンド・ヴォイス◆ ★
 「カーニバル」で知られるNANAさんが主題歌を担当。「春色メロディ」はフルで聴きたくなる一曲。この季節にぴったりの暖かみが感じられる。音楽面における不安材料はない。
 声優陣の熱演にはひたすら脱帽。「声優に何喋らせてんだ」と度肝を抜かれる際どいワード、破竹のマシンガントークは実にコミカル。ウィットに富んだ返しは、聴いてて小気味いい。このテキストにして、このヴォイスあり。主演女優賞は五行なずなさんで決まり。


◆総評◆ ★
 軽妙洒脱なシナリオに隠れて指摘が少ないが、ハート、スペード、ダイヤ、クローバーこそ、この作品の隠れた肝である、と思う。ひとつ飛ばしという一歩引いた立ち位置でありながら、いつの間にか、堂々とヒロインの位に座する元サブヒロインズ。――キャラクター紹介で事実上のメインヒロインと紹介されているとは言え――彼女たちの頭に冠されたトランプのスートは、ある種の下克上のシンボルとは考えられないか。「私たちこそがヒロイン」と声高に叫べないサブヒロインの主張とは考えられないか。僕は、この“目印”に責めることのできないあざとさを感じてしまった。
 りさというイレギュラーはあるものの、おおむね良作。気の早い話で恐縮だが、次回作では笑いのマンネリ化を防ぐ手立てを熟考してほしい。課題がいくつも出た作品ではあったけれど、良くも悪くも手ごたえは感じたはず。このまま、勢いに乗ってほしい。



【雑記】
◆ちびキャラ担当のいずのケンタ(現在は藍圭あけ名義のご様子)さんは、個人的にもっと多用されてほしいですね。

◆歴史学を食んだ徒として、イフはあまりよろしくないと承知しているのですが、キャラクターだけを紹介しておいて、タイトル・攻略キャラ・CG・人物関係を紹介しなかったら、今頃どうなっていたでしょうねえ
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Atora

Author:Atora
エロゲレビュアー歴10年目。ゲームは基本的に雑食。まわりの評判と自分の直感でプレイするものを決めるタイプ。クロシェットの大ファン。仕事が多忙につき、更新頻度が大幅に落ちています。
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