杉花粉にやられつつ、ワカバルートクリアしました。例によって例のごとく、考察等を少し書いてみます。かなりネタバレしてますので、未プレイの方はご注意ください(笑)。
・『カタハネ』評 ワカバルート終了時迄 今まで星の数ほどエロゲーが出た。そんな中で、極めて真似しがたい耽美さがここにある。まだオールクリアしていないので邪推になるが、これは何もワカバルートだけに限ったものではないようだ。笛氏の絵柄もさることながら、シナリオが一役も二役も買っている。とにかく、純粋な気持ちで‘おはなし’を読むことができるのは何より貴重だ。感謝したい。 しかしながら、ワカバルートだけでこの物語を語るのは非常に危険が伴う。オールクリアしなければ、この物語の真価は分からないと思われる。ワカバルートでは、彼女とセロが劇を観賞している場面にてエンディングを迎える。この中で、彼女は…… “―この劇は、私の一生の宝物”(エピローグ箇所) と言っている。つまりワカバルートに限って言えば、ワカバとセロという二人の少年少女の内に留まった“おはなし”にしか見えない。このルートだけではなんとも評価を下しがたい。だから、おそらくオールクリア必須になっているのだろう。それに、あまりにクロハネの部分が関与しなかったのはいただけない。クロハネが生かされていないこのルートは、単純に考えてワカバとセロのためだけに作られたものであろう。深く考えるならば、歴史と演劇という、事実と仮想の対比と言えるのかもしれない。 “Alea Javta eat!”(賽は投げられた!) ワカバルートだけでは、物語の真価を問えない。賽は未だ転がり続けている。アンジェリカルートと……おそらくはココルート。物語は段階的に広がりを見せる。パイの皮を剥くように、物語の核心へと迫る楽しむのも一興。クロハネで見せた百合に浸るのも一興。今後プレイするルートへの期待は更に高まったと言える。クロハネから始まった物語が、最終的にはどう結実するのか。現時点であっても自信を持って言える。これは紛れもなく群像劇である、と。
以上です。ワカバシナリオでは分からないことが多すぎます。今日は、アンジェリカルートへの分岐点を作って就寝ということになりそうです。
[追記] 笛さんの絵がここまでマッチするとは思ってもみませんでした。あとBGMもいいですね、これ。OPはとくに好きです。……最後に一言、声優陣の方々はほんとお疲れ様でした!
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