「恋チョコ」や「バルドフォース」のレビューを書くつもりが、よりにもよってこちらのレビューが先になってしまいました。
よく分からん作品です。原作を完璧に抑えとけば、もう少し穿った見方もできるのでしょうけれど。すみませんが、ただの感想になっちゃってます。
評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ△
グラフィック○
エッチ△
サウンド・ボイス○
ゲームシステム△
AV女優にもピュアな時代がありました。
この作品は、つまりそういうことです。AV女優になったアイドルを好きでいられるかって話ではないでしょうか。
結論から言うと、この作品では、「JINKI」シリーズの魅力を十分に伝え切れていないように感じました。
一番不満だったのが戦闘シーン。どうやらロボットをテキストだけで躍動感ある風采へと仕立て上げるのは、いささか荷が勝ったようです。立ち絵を中心に描写される戦闘シーンを見ていると、回数を重ねるごとに飽きが来てしまいました。
さしもの戯画スタッフも、文章と画面のエフェクトだけで人機同士の戦闘シーンを描写するのは難しかったようで、どうにも今作は躍動感に欠けるきらいがありました。基本的にコクピット視点で戦闘は進むのですが、私の場合、どの戦闘でも爽快感が欠片も得られなかったのです。
確かに予約特典では、バルドスカイのシステムを利用して遊ぶことも、「い・ち・お・う」できます。しかし、それはゲーム外の話で、本体だけで人機同士の戦闘を愉しむのはほぼ絶望的と見ていいでしょう。何よりモリビトを自ら動かせない、いや、動かしたと思えないのが、「ゲーム」ファンの自分としては致命的でした。
どうもテキスト全体に勢いが無いというか説明的というか、そもそも風景・心理描写量が少なすぎて、物語が平たく感じられてしまうのもナンセンス。これは全体、つまり日常生活+戦闘シーンを通して言える事で、思わず欠伸が出るような文章が多いです。なんだか端折りすぎている感が強くて、とてもじゃないですが、シナリオに引き込まれることはありませんでした。
学園ものとしては可も不可もなくという感触を得たものの、それ以外の評価は伸び悩んでしまいます。それくらいテキストに難があるように感じました。
その分、ダークな部分には光明が見えます。
私ははじめ純愛系一辺倒なのかと思っていました。ところが蓋を開けてみると、なかなか陵辱も数を揃えてきており(計8シーン)、これには驚かされました。この部分は、原作ファンにとっては賛否が分かれそうです。
波乱を呼びそうな陵辱の数々は、ちょっと個人的には予想外で思わず面食らってしまいました。純愛を青写真に描いていた人にとっては、いささか酷すぎるかもしれません。
部分的に原作未読破、未視聴では少々追いづらい点がありましたが、内容としては、AV女優の過去を知らずともイケるといった具合だったように思います。もちろん原作をハンドブックとして活用するなりなんなりしたほうが楽しめるとは思います。とくに、陵辱の時に「憧れのヒロインがあんなことこんなこと」という変態心を刺激されて、高揚感が増すことは請け合いです。もっとも、ゲームから入ったプレイヤーがそこまでする価値があるかは疑問ですが。
原作ファン・戯画ファン・美少女ゲームファンという3つのカテゴリを作るとしたら、“原作ファンかつ陵辱サイドを所望するプレイヤー”なら、あるいは真に愉しめるのではないかという作品だと私は思います。陵辱部分以外では、なかなかセールスポイントが見出しにくいです。近年稀に見る門戸の狭い作品でした。
【雑記】
原作を読んだのがかなり昔なので、シナリオの好悪についての言及は控えさせていただきました。
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