のレビューです。ネタバレはありません。
評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ△
グラフィック◎綺麗な絵柄ではある
エッチ○並ですね
サウンド・ボイス○
ゲームシステム★コンフィグまわりはいい。評価にはなかなか出にくいけど。
「ザ・平均」。はじめから、そう書いてある的を狙って射かけたとしか思えない平々凡々きわまる作品。毒にも薬にもならんとは、まさに本作のことである。
なんだこの徒労感は……プレイしてよかったとは到底思えないけど、地雷を踏んだとも言い切れない。シナリオを筆頭に、作品からこれでもかと滲み出るつかみ所の無さが、フラストレーションの溜まり具合に拍車をかける。挙げた手を振り下ろせない。ぬるま湯に長時間浸かっていた時の気分と似ている。
いやまあ、別に蔑むような悪い作品じゃないと思うんです。一生懸命作ったのは容易に想像できるし、バグらしいバグもなく、コンフィグまわりも過去に出た戯画作品をそのまま踏襲しており使い勝手がいい。ED主題歌は目立つような楽曲じゃないけれど、それでもイメージとしての存在感はバッチリ。絵柄も雰囲気だけ見れば合格。
丁寧に作ってあるからこそ、逆にシナリオの波の無さが不気味に感じられる。物語を読ませようとする愚直さに欠けるし、かと言って感動させようとする狡猾さも伝わってこない。短いエピソードをオムニバスのようにひっくるめて、個別ルートへ導く手法を取っているのだが、これが裏目に出ているような気がする。一話ごとにテンションがプラマイゼロに戻る心境をイメージしてもらうといいかもしれない。
一話一話が短いため、ハイテンションを維持しようとしても早くに息切れしてしまっている。また、転らしい転が見当たらず、クライマックスは全く物語としての高みを目指そうとしない。まるで、振り切れないメトロノームである。ここまで自己主張してこない作品は、なかなかお目にかかれない。本作はギガマインを回避することには成功したが、問題は当てた的が平均だったことだろう。
長所らしい長所と言えば、先に述べた絵柄。柔らかい雰囲気にマッチした淡い色使いが特徴的。素人目から見て、原画家に若干のレベル差が見受けられるものの、プレイする分にはさほど違和感はないだろう。私の目が腐ってなければ、雛、舞担当のmaruiさん単独でやらせた方がよかったような気がしないでもない。ビジュアル面から来るキャラ立ちはまあまあ。ただし、決してフラッシュバックすることはない。
まさに「ザ・平均」。エロゲを片っ端から評価順に並べ変えると、誰しもがその中央に持ってくるであろう作品だ。毒にも薬にもならない。
また一つ、埋もれていくか。さもありなん。
【雑記】
自分の心境は、地雷を踏まなくてよかったという安堵が大勢を占めてます。
日常描写に集約される波の無さ……これは、まったりしたい人にしかオススメできそうにありません。
雛の抜けっぷりには参りました。ああいう「ぽわわー」としてる娘は好きですねw
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