のレビューです。賛否のある大帝国と同時期に発売されたせいか、うなぎ上りの評価を受けている本作。その評価に違わぬいい仕事をしてくれました。久しぶりに満足の行く作品でしたね。中古でも値段が少しずつ落ち着いてきているので、見つけたらゲットしましょう!!
時間はかかりますがオススメですよ。
シナリオ○(◎)
グラフィック★
エッチ○
サウンド・ボイス◎
ゲームシステム☆
エウシュリーには、エロゲーアルケミーマイスターを自認してほしい。それはさておき、確かにこれはマイスターシリーズである。紛うことなき。
飛躍的な進化を遂げるでもなく、激しい爆発力を兼ね備えているわけでもない。これは、少しずつ少しずつ進歩を続けてきた研鑽の徒エウシュリーさんの生んだ努力の結晶。「姫狩りダンジョンマイスター」と「峰深き背にたゆたう唄」という二つの作品を中心に、これまで培ってきたノウハウを活かし、選りすぐりの部分だけを丁寧に“錬金した”類まれなる出会いの作品である。
大帝国(拙レビュー参照のこと)と比して、アルケミーマイスターはすんなりと胃の腑に落ちた。引っかからずに、ストンとハマった。気がつけば、時計の短針が逆方向にあった。
三周+αまで、違った楽しみ方がある。パッチを充てて時間をつぎ込んでいる、いないにかかわらず、だ。
“しっくりこなかった”アリスソフトの「大帝国」と「神採りアルケミーマイスター」の違いは、ブランドが保守に徹したか否かで決まってしまった。エウシュリーは昔から“カテゴリ”という小石を着実に積み上げてくるブランドという認識があって、「空帝戦騎」や「峰深き瀬にたゆたう唄」といった実験的な意味合いの強い作品を、大作の間に挟んでくる地道な印象があった。抜本的な改革とは程遠いが、安定した作品を創り出すブランドと感じていた。今回は、その稲穂が実りに実った、まれに見る豊作だと思う。
戦闘システムは、「姫狩りダンジョンマイスター」の改良版と言って差し支えない。
・耐性、弱点の細分化
・キャラクターごとのスキル替え
・ヒロイン専用の衣装システムの導入
・クリア条件、それに付随するボーナス要素の追加
・出撃地が選択できるようになった点(前作はダンジョンをひたすら潜るだけでイメージが湧きにくかった)
などが一例である。いずれも微細な変更点で、“陣取り的なSLG”という根幹は揺るがない。あくまでも、システムにスパイスを振りかけただけである。これらの要素が付随しないのが前作で、もともとシンプルな形でも十分遊べていた作品だったのが、今作では十二分に遊べるようになった。
さらに、ここに工房運営という強力なSLGが加わったからたまらない。“やりこみ隊”や“アイテムコンプし隊”は当然ながら激増する。今までのエウシュリーからすると、「峰深き背にたゆたう唄」にあったような「合成、調合、錬金術」といった、
やりこめる要素が伸びていなかったのが不思議なくらいだった。一部のプレイヤーは、「ようやく来たか」といった面持ちであろう。
実際にプレイすると、非常に完成度が高いことが分かった。“峰深”にあった合成失敗みたいな感じのアイテムができることもなく、フラストレーションもほとんど溜まらない。変異物ができあがった時などは、ちょっとしたラッキーな気分になれること請け合い。よく出来ている。
これに街MAPが追加され、ADVの選択肢的な役割をこなしつつSLGのやりこみ要素との橋渡し役を務めれば、もう鬼に金棒である。ストーリー自体は際立つほどの内容ではないのだが、SLGの面白さとやりこみ要素に引っ張られている。野手陣が盛り立てる投手のような存在だ。
我々は、いつの間にか(SLGにつられて)“おつかいクエスト”に走らされており、気づけば素材集めやら、サブストーリーやらをこなしている。ここに、一種の“からくり”が存在する。その成立には、面白さの根底にある戦闘システムの優秀さが前提条件であろうが、これについては前述の通りである。
エウシュリーだからこそ出来る芸当、いやエウシュリーしかなしえない芸当というべきか。この作品は、いくつかの要素を見事に融合させた均整の取れた作品だと思う。些細な不満(決死スキルが強い、武器の持ち替えが面倒、云々)はあれど、非の打ち所は全体的に少ない。シナリオがSLGのおまけという感アリアリなのは相変わらずであるが、これを誹るよりも先にシステムに引き込まれてしまった。門戸の広いSLGであると思う。
エウシュリーとアリスソフト。地道に積み上げてきたブランドと一度白紙に戻したブランド。その差が、とっつきやすさに現れてしまったのだろうか。
エウシュリーが積み上げ
アリスが壊した時
誰がファンでいられるだろうか
エウシュリーがやってくれた。「大帝国」でしょげかえっていた自分への活力剤である。鬱憤が晴れた。
【雑記】
ベスト10に入ります。いい作品です。
ああ~~、やっと書き終わりました。なんとか新作「カミカゼ☆エクスプローラー」までギリギリで間に合いました。明日は仕事が休みなので、開店突撃してゲームを回収してきます。びば、ろりきょにう!!!(黙れ)
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