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「シキガミ」レビュー

シキガミシキガミ
(2011/07/29)
Windows

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 先日、中古が解禁された模様です。ちょうどいい頃合なので、レビューを書いてみました。全ルートをクリアしているわけではありませんが、これ以上は苦行となりそうです…。

 批評空間に感想を投下した後、いきなりパソコンがフリーズを起こしてしまいました。幸いデータは消えておりませんでしたが、やむを得ず時間差での投稿となります。
評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ△
グラフィック★
エッチ△(×に近いシーンもちらほら。前戯がないんで・・・)
サウンド・ボイス◎
ゲームシステム○ 


今から何をすれば勝てそうか、ではなく、どうしたら最終的に勝っているか、を考える詰め将棋的SLG。好き嫌いが如実に出やすいタイプのゲームと言えよう。
 最近、ほんと詰め将棋的な展開が好きなゲームが増えてきた。ひしひしと感じる昨今である。計算づくの勝利は、対人戦でこそ格別の美酒に酔えるものだと信じてやまない私であるが、近頃は、こういうゲームが波に乗りつつあるのだろうか。



 ゲーム構造自体は王道的な陣取りSLG。敵の思考ルーチンはかなりの特攻型であるため、初歩的な戦術は、守りながら敵をおびき寄せるという、かなーーり地味な感じのするゲームである。
 戦闘システムは、習うより慣れろを地で行くシンプルな構造。

・ユニットは遠距離(弓)・中(槍)・近(剣)という3つの攻撃距離を持っており、それぞれ3すくみの関係にある。陰陽師という例外がある
・2対2のターン制バトル
・撤退すると攻撃力半減、2度撤退すると攻撃力0
・戦う場所によってユニットに強弱がある(陰と陽)


 文章で説明するより、公式ページで閲覧したほうが分かりやすいかもしれない。ここでは図解に留めておく。

弓=2、3マス先に攻撃可能
□□□□□□
□□□□□

□□□□□□
こうなると、弓は攻撃される他ない

槍=1、2マス先に攻撃可能
□□□□
□□□□□

剣=1マス
□□□□□□


 基本的に、これを2対2で行うと、


□□□敵敵

一例としてこのような状態ではじまる。行動順はユニットの敏捷力に左右され、各ユニットが6回行動するか、いずれかの小隊が全滅した時点で、戦闘は終了となる。移動は基本的に一歩刻みだが、前衛のターンで後衛と入れ替わった後、新たな前衛となったユニットはもう一歩先に進める仕様となっており、事実上二歩までの移動が可能である。逆も然りである。戦闘は、スキルを除けば単純にこの繰り返しで、敵を滅していくわけである。ちなみに、敵の弓ユニットに隣接すると、後ろに下がらないばかりか撤退もしない。これはおそらく、バグに近しい仕様なのだろう。
 どこぞのSLGとは違ってちゃんと撤退もあり、画面左端から一歩外に退場させれば、それにて撤退完了となる。一件落着、いたってシンプルである。撤退すると攻撃力が半減し、その状態でさらに撤退すると攻撃力は0となってしまうが、自陣に戻して一旦解散させれば済む話なので、そこまで躍起になって敵を倒す必要もない。このゲームは理詰めなので、無理をしたプレイヤーは負けなのだ。ユニットのスキルは多種に渡るため解説は省く。



 さて、これとは別に、陣取り要素を組み込んだものがこのゲームの全容である。陣取りとは言っても、敵CPUのごり押し一辺倒という思考ゆえに、戦術的な要素はうまく反映されていないようであるが…………。そのルーチンは猪突猛進と言ってもいい代物で、我々としては、どうしても受身の戦いになりがちである。まるで将棋の指し手を考えているような……そんな遊び方を余儀なくされた。
 こちらから積極的に打って出る必要性があまりないため、敵陣を駆逐する爽快感は得にくい。とにかく雑魚小隊の数が多く、連戦に次ぐ連戦といった感じで、シナリオの流れを阻害している感も見受けられる。1周目はパラメーターが脆弱なことも相俟って、一通りの攻勢を受け流した後で、空の陣地を進軍するという間抜けな構図になりがちである。
 陰陽と妖怪を題材にしているだけあって、場所によって陰が強かったり陽が強かったりと、ユニットごとの得手不得手を把握していないと、思わぬ苦戦を強いられることもあるだろう。主人公や特殊なアイテムでその流れを調整するというアイデアは、なかなかに面白い。


 また、このゲームには回避という概念はあれど、防御という概念はないので、どのようにガタイがよかろうと、HPが尽きれば即刻ご退場願うことになる。システムに不慣れな序盤は、グラフィックありのユニークキャラクターたちがバタバタと斃れていきがちなので注意されたい。しかし、喉もと過ぎればなんとやらと言われるように、ひとたび仕様に慣れてしまえばどうということはなく、むしろ後半に至るにつれて、味方の強さが浮き彫りになってしまい、周回を重ねるうちに作業化の色は徐々に濃くなってしまうことだろう。
 完全に場慣れしてしまった2周目以降は根気の問題だが、引継ぎ要素が資金とアイテム、それにMOB式神のみと極めてチープ。レベルは引き継がれない。これがまあ、モチベーションの低下に拍車をかける。パラメータの引継ぎすらできず、かと言って、戦闘もスキップできる仕様ではないため、1周目と似たようなことを延々と続けざるを得ない。これは痛い。
 また、シナリオを全てコンプリートするには4周必要らしいが、時間という代価を支払うには、システムの弱さという点で払うに値しなかった。


 他にも、やる気を削がれる理由としては、その操作性の悪さが挙げられる。行動済みのキャラがどれなのか、ユニットリストを一見するだけでは分からない、出撃キャラクターのソートが不可であるといった、所謂“あってもよさそうな機能”がついておらず快適とは程遠い。
 戦闘で獲得した経験値が表示されなかったり、特定条件下では進行すらままならなったり、行動不能表示の相手が動いたりと、この手の作品にしてはバグも比較的目立つ方である。状況次第では手詰まりになってしまうパターンもあるので、セーブは1つに限らないほうがいい。にもかかわらず、バグフィックスの遅さは致命的な域に達しており、発売からはや1ヶ月経過しているというのに、なんら修正パッチが出ていない点については、対応に疑問を感じる。いずれにせよ、SLGやコンフィグまわりでは、常にフラストレーションを溜めがちであった。


 もりたんさんの絵は、流石に「ひのまるっ」で好評を得ただけのクオリティを発揮しており、本作でも如何なく実力を発揮なさっていると思うが、「暁の護衛」などでエロに不安を抱えるあかべぇ系だけあって、本作のエロは尺の短さが随所に表れた。
 具体的には、唐突にエロシーンを挿入するという暴挙に出たのである。処女とかそういうのはお構いなしに、挿入後の描写から事が始まってしまうキャラクター(道真・・・・)もおり、数の豊富さが系列ブランド随一ならば、尺の短さも随一というアンチノミーたる様相を呈している。 そのせいか、他のエロゲSLGに比べると、特定のキャラクターに愛着が湧きにくく、パラメーター初期化の弊害もあって、ユニットを育成する楽しみには欠けるところがあった。ドット絵が極めて美麗な点は白眉。


 ギャグテイストの平安チックなシナリオは、好き嫌いが顕著に分かれそう。個人的には可も不可も無くといったところだが、プレイヤーによっては、晴明を攻略(要周回プレイ)するまでやめないっ……といった決意に燃える方もいるかもしれない。ただ、キャラクターごとの小噺が少ないサブキャラクターたちは、ずいぶん気の毒な扱いを受けている。上記の事もあって、私はキャラクターに愛着をさほど抱けなかった。
 ギブアップしているため、シナリオに関してはここまで。


 ビジュアル面を除く総合力が低い。いまだSLGにはTRYの段階といったところであろうか。前作「俺サマのラグナROCK」よりは成長が見えた。次回を待ちたい。



【雑記】
 もう少し、濡れ場を大事に扱って欲しかった気がします。
中古が解禁されたので、これを機に手に取るのもいいでしょう。
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エロゲレビュアー歴10年目。ゲームは基本的に雑食。まわりの評判と自分の直感でプレイするものを決めるタイプ。クロシェットの大ファン。仕事が多忙につき、更新頻度が大幅に落ちています。
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