前掲:
2011年のエロゲーを振り返る【1】前掲:
2011年のエロゲーを振り返る【2】前掲:
2011年のエロゲーを振り返る【3】前掲:
2011年のエロゲーを振り返る【4】前掲:
2011年のエロゲーを振り返る【5】前掲:
2011年のエロゲーを振り返る【6】前掲:
TGとPUSHと批評空間をくっつけてみた 今更な感が強い、2011年のエロゲー総括です。といっても、11月と12月の作品に関しては、信頼できるデータを得られなかった関係で、こちらでもコメントは載せておりません。あしからず。イメージ画像を乗っけといたんで、やたら長くなってしまいました。
先にプレイしたもの、プレイ中のものを中心にコメントをつけておきますね。タイトル左の数字はTECH GIANにおけるセールスランキングです。
1.大帝国
なんだろう、神パッチってのは?
僕はこの作品で「神パッチ」という言葉を認識したんだが、そもそも修正パッチに神を接頭語として付けるのは、なんかこう……違ぇんじゃね、と思う。
アリスがやったのは企業努力なのかもしれないけど、「“ユーザーの言い分を聞いた後に”ユーザーの要望にお応えしました」という後手後手感があって、あんまり好きになれなかった。
まあ、僕がロートルじみているのかもしれないけど、「ランスクエストマグナム」の前兆としての「大帝国」だったのかなあ。ユーザーにとっても、ブランドにとっても、後味がいいとは言えなかった気がする。
2.ワルキューレロマンツェ[少女騎士物語]
エロい。もうほんとそれが印象的な一本。プリラバ時代からエロの突き抜け具合はすごかった。アヘるし。Ricottaって何気にアヘ顔メーカーとして優秀なのか?
それにしても、横にすると真っ白になる初回版ってなんだかなあ。パッケージデザインとしては、初回版よりも通常版の箱のほうがよかった。タイトルくらい横につけられなかったのかねー。
複数本買いして、タワーを積み上げてた人(まんはったん から)がいたな。この猛者には敬意を表したいね。
3.穢翼のユースティア
新境地。予想だにしない作品というのは、この作品を指して言うのかもしれない。オーガストらしからぬ作品なのは疑いようがない。それくらい挑戦的ではあったけれど、オーガストの新たな側面を見るという意義よりも、こういった方向でもできますよ、という提案営業的な意義のほうが強いとみる。
いずれにしろ、芸風は一色ではないってことで、今後も期待できるブランドですよって自ら証明したのは大きかった。
4.恋騎士 Purely☆Kiss
豚珍館(危ないネタだだけど、ここはおいしい)……じゃないや、トンチンカン。なんというか、衣の厚みに比べると肉の厚みがないトンカツが如く、テキスト量と満足度が釣り合わんのです。ちぐはぐな作品だなあ、と。
せっかくの憂姫はぐれ絵が、テキストに活かされてないと思う。とくにエロい方向のベクトルが伸び悩んでてもったいない。藤原氏は「マテリアルブレイブ」でもやっちゃった感があったし、この作品もそこがアキレス。あかべぇに何期待してんだって言われればそれまでですけど。
5.カミカゼ☆エクスプローラー!
昨年のベスト5に入ってくる作品だと思う。このゲームをプレイした後、ほかのゲームをプレイすると、立ち絵が物足りなく感じた。こんなにも日常を楽しく飽きずにプレイできる作品はなかなかお目にかかれない。後半に若干グダるも、そのまま押し切るんだな、これが。
エロ濃度は濃い目。クロシェット作品では最も出来がよかった。尺が長いし、ヒロイン側に強い孕み願望もある。何よりも御敷仁絵が立ち絵、CGを問わずコロコロと変化するのが嬉しい。
余談になってしまうけれど、僕がロリ巨乳に目覚めた作品であることは間違いない笑
6.神採りアルケミーマイスター
これもベスト5入りしてくる作品。峰深→姫狩→神採という三段進化は見事。圧倒的な中毒性とボリュームと、ゲームバランスの良さ。ここまで兼ね備えている作品というのは、遊べるエロゲーの中でも数少ないんじゃないか。
同じ月に大帝国は発売されてるんだけど、僕としては神採りの方を推しちゃう。名称こそ違えど、互いに修正パッチやアペンドディスクといった追加要素を後出ししている事を鑑みれば、無印時点での完成度の高さで悖る大帝国は分が悪いからね。
7.ランスクエスト
無印とマグナムをあわせた評価が統計的にとりづらい。評価は仲人口程度で留めてほしいものだけど、これが7位ってのは物足りない。大帝国よりセールスで下という現状が、音に聞こえしランスとは思えない。時代の流れを感じる。
8.Rewrite
歴史を見据えたゲームというのかな、これは。たぶん、僕があまり評価しなかったように当世における評価はさほど目立つものではないけど、Keyが培った土台を慮れば、この作品の下地は後々になって評価されてくると信じてる。非18禁に対する賛否は、いつまでも残るだろうけど。
2度、3度と言わず、繰り返しプレイすることによって見えてくる作品ではないかな。「Philosophyz」というテーマ曲は、雄弁すぎたソクラテスさながら。
9.恋色空模様 after happiness and extra hearts
長い。FDの割に……という認識がそもそも間違っているのかもしれない。それくらい、尋常じゃない作りこみようが話題を呼んだ作品。るちえ絵がいいね。
本編と併せた2作品は、四角い画面におけるキャラクターの立ち絵をどう魅せるかという点で先進的な存在とみる。現に、そのお手本が随分とあった気がする。
そういう意味では、緑茶は他のブランドよりも数歩先に行ってるのは明らかじゃないかな。立ち絵を座らせるという錯覚を利用した手法は、他もっと広い範囲に影響を及ぼすだろうね。
10.グリザイアの果実
うーん。これはプレイ中なんで、ちょっとコメントしづらいなあ……。大作だし、評価されてもおかしくないとは思う。如何せんプレイ中の作品なんでなんとも…。お茶を濁す形になって申し訳ない。
15.your diary
カントクさん。絵柄がやさしくて、思わずほっこりしてしまう場面もしばしば。癒されると評判のゲームに偽りなし。
僕もまったりと物語を堪能したかなあ。まったりだから、すんげぇ印象に残るゲームじゃないんだけど、またプレイしたくなるんだ、不思議と。
16.へんし~ん!!!~パンツになってクンクンペロペロ~ パン・ツー・パック!
2011年度キングオブバカゲー。これをおいて他にない。
エロはバカの後からついてくると言わんばかりの怒涛のストーリー。シチュエーションから変態プレイまで、もうほんと救いようのないくらいバカでエロ。これは褒め言葉として捉えてほしい。
2011年のベスト5本に入るかと言われると難しいけど、それに匹敵するくらい優秀な作品。
17.未来ノスタルジア
レビューの方ではいろいろ書かせてもらったけど、ここでは率直な印象を。
このゲームは紛れもなく
風音ゲー。これ以上の風音ゲーはなかなかないんじゃないかってくらい、声を充てた杏奈が生き生きしてるのが印象的だった。いや、もちろんシナリオにも惹かれるんだけど、如何せん双子ルートを担当した人が足を引っ張った感が…。
印象度合いで言うと、圧倒的に声ゲーと断言できる。プレイから幾月経た今では、シナリオよりも風音の自信溢れるヴォイスが脳裏にある。
19.ラブラブル~Lover Able~
いちゃラブゲーと言われれば、この作品が脳裏を過ぎる人もいるだろうってくらい、アマアマなゲーム。熟れすぎない甘さって言うのかな。初々しさが残るバカップルっていいよね、という話。
FDには賛否あれど、無印のほうはしっかりいちゃラブってくれまっせ。
20.LOVELY×CATION
こりゃまた古いシステムを持ち出したなと期待半分でプレイしてみた。そして、その通り、なんとも微妙な気持ちになった。
シナリオは20世紀末のベタなエロゲーの展開さながら。本当に、何もないところからナチュラルな恋愛模様を描いたもの……なんだけど、このフェアさは最近では珍しいくらい。その事を思い出させてくれたのがこの作品だった。
追加パッチの豊富さは、おそらく過去に例のない規模だった。アフターケアが抜群で言うことない。素朴なエロゲーを軽視しちゃいかんなあとつくづく思う。
21.いきなりあなたに恋している
実に枕らしい変化球だったね。いやもう、枕が直球でくるわけないのは分かってたけど、ここまで曲げなくてもいいのに、と思った。しゅぷれーむよりも電波的ではないけれど、それでもビジュアルに目が行くと、コロッとやられるかも。
何気に涙腺を刺激されたルートがあった。なんだったんだろう、あれは。
23.いろとりどりのセカイ
シナリオに対する評価はそこまで高くない。トゥルーまでの各ヒロインが前座として映っちゃうから。確かにトゥルーは高い完成度を誇ってて、総合的に星メモと比肩する出来だった。けど、なんか納得いかんのよね。近いうちにレビュー書きたい作品ではある。
物語自体はとても好きだった。雰囲気の良さは、星メモでもそうだったんだけど、書き手が世界観をきっちりと御している証拠。これでエロが濃かったら……という作品だったかな。
大小の設定がサラタボウル化してて少し読解力がいるかもしれないけど、あんまり心配することでもないか。
24.恋愛0キロメートル
さっき、へんしーんPKPをキングオブバカゲーって書かせてもらった。ただ、これも負けちゃいないと思う。その差は、おバカに対する突き抜け具合がエロまで到達しているか否か。
この作品は、そこまで突き抜けていない。ユーザーがツッコミを入れるくらいの余裕はあったと思うのよ。
なんと言っても、ヒロインに顔芸をさせているあたりがもう、ASa Projectの方向性をある程度決めてしまったのではないか。このクオリティを維持してほしいね。
27.らぶ2Quad
まだ絵だけでも売れる。処女作からシナリオのレベルは停滞してるものの、絵で売れるってのが、これほど分かりやすいブランドは………ああ、サーカスがあったか。まあ、僕から言わせれば似たり寄ったりなところがあるけど、ここまでシナリオ投げっぱなしってのも逆に清々しい気がする。
このブランドのセールス関連の数字が悪化することはあるとしたら、それはそれでユーザーの目線の変化を理由に求めることができるのかもしれない。まだその兆候はないように思える。
30.雪鬼屋温泉記
個人的には、AXLと並んで心配なブランドがソフトハウスキャラ。批評空間内にてMITUBA氏が「面白い一面をみせるものの、全体としては悪くなってしまう。」と評していたけど、これが当を得ている。
結局のところ、キャラが全盛期と違うのは、周回に対する脆弱性がいつまで経っても是正されないことにあるわけで……。これも、システム的にマズい気がした作品だった。
34.神咒神威神楽
アクティベーションがどれくらい影響してるのか興味があった。それで、この数字を叩き出しているとあっては、lightに対する見方を変えざるを得ない。中古屋に足を運んでも、アクチ付きのタイトルはそれほど頻繁に置かれてるようには思えんし、やっぱりそれだけ需要があるってことなんだろうね。「ディエスイレ」しかり、「かみのゆ」しかり。
一見、アクチというのは、ブランドにとってもユーザーにとっても枷を嵌めるように思えるけど、lightはそれを信用、ひいては信頼へと転換できたのかもしれないね。アクチの搭載を打ち止めしたSugarpot、暁WORKSとの決定的な差は、作品の質も関係しているのかもしれない。まあ、確証的とまでは言わないけれども。
39.妹ぱらだいす!~お兄ちゃんと5人の妹のエッチしまくりな毎日~
ムーンストーンは、萌え抜きゲー(勝手に命名)というジャンルで地位を確立したと思う。個人的にはたぬきソフトと同ランク。シナリオはそう尖がっているわけではないけど、エロまわりが非常に優秀。
エロシーンが飽和することはないと思い知った作品。
41.Hyper→Highspeed→Genius
どみる最高との呼び声が高い。実際に、僕もそう思う。しっかりと物語を語り終えてる。でにけりとは一体なんだったのか。
マニアックな話になるけど、2011年のエロゲーのパッケージの中で、最も好きなパッケージ。どみるの箱は変に場所を取らないし、スマートだし、何よりもデザインセンスが素敵。
45.鬼ごっこ!
シナリオをがんばった萌えゲー。アルコットはハニカム文庫の方がコンパクトにまとまってて手を出しやすいんだけど、本家のこれは当たり。くーにゃんはヤバかった。ビギナー向けとして薦められる一作。
そういえば、ピストン音が印象的だったなあ。独特すぎる。
47.時を奏でる円舞曲
正直、これが50位以内にランクインしてくるとは思ってなかった。単なるロリ専ゲーとばかり思ってて、批評空間の評価数からすると、この売上は予想だにしてなかった…。
んー、まあ実際にロリコン得ではあるんだけれど、値段的に割高感があった。レビューには書いてあるけど、“てんあく”がいかにコストパフォーマンスに秀でていたかがわかる。
圏外.AQUA
山形が誇るブランドの処女作。贔屓目に見ずとも、この作品の完成度は高い。サブキャラのまきいずみ時空に囚われた。これも世界観がいいね。
同人で「Bye」という作品が出ているんだけど、「AQUA」を気に入ったプレイヤーはぜひ。「トラウムブルグ7番地」でググると幸せになれるかも。
圏外.つよきす三学期
よくもまあ、あの壊滅的だった2学期から立て直したなあと。2学期の事があったので、プレイはしてない。僕みたいなユーザーのせいで、数字が伸びなかったのか、それとも……。でも、ちゃんと通常版出してるから大丈夫だよね……………たぶん。
圏外.女装山脈
川端康成もびっくりのキャッチコピーが挑戦的。男の娘ブームの火付け役のひとつだと思う。
僕は目覚めなかったけど、プレイヤーによっては目覚めちゃう人もいるんじゃないかな。
圏外.euphoria
2011年度ナンバーワンダークホース。この作品を1位に推す人も多いんじゃないか。一般人には進められない内容だけど、抜くためのティッシュで目頭を抑えてしまうゲームってそうそう出てこないと思うぞ。
圏外.対魔忍ユキカゼ
陵辱ゲーだから、純愛方向は放置してくると思ってたら、ホントに丸投げしてて笑った。
でもまあ、lilithのクオリティはこのところ高い気がする。監獄戦艦もそう。
以上つらつらとコメントを書いてみました。11月、12月ぶんはデータが出揃ってないので載せていませんが、これに「WHITE ALBUM2」と「美少女万華鏡」、「無限煉獄」などが加わってきます。
こうしてざっと振り返ってみると、2011年は大豊作だったのではないかと思います。毎月のように何らかの秀作がリリースされ、中には「euphoria」や「WHITE ALBUM2」といった著しく評価の高い評価の高い作品も生まれました。
これとは逆に、アリスソフトの停滞具合が気がかりと言えば気がかり。そのうちエルフのように中興することを願っておりますが、「大帝国」は一部からは失墜と取られても仕方ない作品だったのではないかと思います。決して没落してるとは思っておりませんが、若干揺らいでいるように思えてしまいます。
さて、2011年に製作されたエロゲーの中で、アクティベーションを搭載したソフトの数は28作品。そのうち中央値60点台を叩いたのは、「せきさば」、「姦獄島」、「オトミミ∞インフィニティー」の3つしかありません。2010年と比べると‘地雷’は減ったのかなと。消費者側だけでなく、ブランド側にもリスクがありますし、覚悟してアクチ化しているのは見て取れるかなと。
アクチを搭載しているブランドは、あかべぇそふとつぅ系列、ネクストン系列、lightを中心に、ユニゾンシフトやニトロプラスなどが追随していますが、まだまだ試用段階という印象はぬぐえません。現に、あかべぇそふとつぅ内の暁WORKSからリリースされた「‘&’ -空の向こうで咲きますように-」や「ツクモノツキ」(Sugarpot)など、ブランドとして定着しなかった例も見受けられます。
lightは極端なアクチ左派(一度開封したら、中古として取り扱えない)ですが、その自信に足る実績を出しているように見受けられますね。
閑話休題気味になりましたが、最後は個人的なエロゲー総括。
振り返ってみると、2011年度の作品でプレイしたのは50前後ありました。これに旧作も加わってくると、100を優に越えてきそうです…………あー、これは例年よりも遥かに多いですね。
プラットホームである萌えゲー、遊べるエロゲー以外にも、陵辱ゲーやおばさんゲーにも手を出してみたりと、色々と嗜好を再確認できた年だったように思います。収穫はありました。
ひとまず、プレイした中でのベスト5は、
5.カミカゼ☆エクスプローラー
6.神採りアルケミーマイスター
24.恋愛0キロメートル
17.未来ノスタルジア
圏外.対魔忍ユキカゼ
ですね。これら5つは、価値観を上書きしてくれた作品です。カミカゼは立ち絵、神採りはやりこみ、ユキカゼは陵辱諸作品への門戸として、恋愛0キロはギャグ方面。そして、未来ノスタルジアは風音ヴォイス笑
僕としても、2011年は豊作の年でした。「WHITE ALBUM」と「グリザイアの果実」など、まだ完全にプレイできていない作品も数多くありますが…。
同人での2011年度のイチオシ作品は、「ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-」(れいんどっぐ)です。「もんむすくえすと」にしようか迷いましたが、こちらで。
忠臣蔵をモチーフにしたゲームは数あれど、舞台装置まで拝借したゲームというのは珍しい。四十七士をここまでクソ真面目にエロゲー化しようとした作品を、僕は他に知りません。
今後も並々ならぬ期待を抱いております。三部作の最終部がどうなるか、次の夏コミが楽しみでなりません。
長くなりましたが、これからものんびりと運営していく所存です。では、またの機会に。
スポンサーサイト