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「VenusBlood -FRONTIER-」レビュー

Venus Blood -FRONTIER-Venus Blood -FRONTIER-
(2012/04/27)
Windows

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のレビューです。
 今回の作品はプレイしているうちに、やり応えが出てきまして、短文で済ますつもりが文章量が肥大していったという……。ま、要はなんとなくやっていたものが、理解が深まるにつれて面白くなっていったですよ、これ。

 ところで次の作品名は「Venus Blood-GLORIA-」と勝手に予測してます。あってるといいな←

評価(☆→★→◎→○→△→×)
シナリオ◎ オーソドックスな北欧神話ファンタジー。シナリオに限らず、あかべぇの北欧神話モノよりも総合力で上位変換。
グラフィック★ 
エッチ★ お好みで。僕は好きなほう。
サウンド◎ 印象には残らないと思うけど、臨場感を高めてくれるはず。
ボイス★(ただし、イミルは×) イミルだけが論外。残念。 
ゲームシステム☆ 洗練されてより複雑になった。それだけ幅が広がったということ。

苦節5年。ようやく日なたに出てきたといった印象だ。

 個々のユニットの能力を高めることよりも、プレイヤー側の運営や運用といった管理能力を第一に問われるゲーム。やることなすことに派手さはないが、その重厚で精緻なつくりはいかにも玄人受けが良さそうだ。歯ごたえ抜群の一作である。



 遊べるゲームで一定の地位を築いているエウシュリーやザウス、アリスソフトといったブランドには、いまだ知名度という点で引けを取っているように感じるものの、クオリティの高さでは勝るとも劣らぬ実力を持っている………というのが僕のブランドに対するいま現在における所感。ヴィーナスブラッドシリーズ(以下VBシリーズとする)については、名よりも実を取るプレイヤーにうってつけの作品群という印象がある。

 ただ、今回は発売時期が如何せん悪かったのは否めない。同日発売の『創刻のアテリアル』(エウシュリー)と本作とを秤にかけて、エウシュリーの前作『神採りアルケミーマイスター』の再来を夢見て、“安牌”を取ったユーザーの心情が忍ばれる。
 それでも、エウシュリーの作品とデュアルテイルの作品を、同じ土俵に立たせてどちらを買うか、どちらを先にプレイするかと、迷うようになったユーザーがいたことは誠に喜ばしい。ちょっと前までは、触手・調教・陵辱といったワードから、「遊べる!」といった真っ直ぐな印象よりも、「エロいよ~、それに遊べるよ~」といったどことなく胡乱なイメージが先行しがちだった。それを考えると、着実に伸びているブランドであることは間違いない。
 ま、これは評価の埒外の話なのでここまでとするが、ブランド自体にはこれからも注目する価値があると見る。



 さて、冒頭でも述べたように、このゲームは歯ごたえを求めるプレイヤー向きである。なぜこのような書き方から入るかと言えば、このゲームがビギナーにとって、かなり不親切なつくりを第一に意識させてしまうであろうからだ。何も知らずにプレイすると、出鼻を挫かれることだろう。

 たとえば、通例のRPGにありがちなチュートリアルや“お試し戦闘”なんて都合のいいものは物語中にはなく、読み進めるうちに理解を深めていく仕様。なんとも硬派なものだ。どうしても分からない時には、別枠のチュートリアルをじっくりと読んでみることをオススメするが、実際にやってみないとこればっかりは体感しにくい。早い話が「慣れるより慣れろ」を地で行く作品で、これは、昨今のこの業界では珍しいように思う。(一応言っておくが、鬼畜難易度とはまた別の話だ)

 戦闘システムは6対6のシンプルな戦闘画面。一見すると単なる殴り合いで勝負を決するかのように見えるが、事はそう単純ではない。スキルや特殊能力の数は物語の前後半を問わず非常に多く、プレイヤーはパーティーの構想を練るのがのっけから大変だ。強力なユニットで力押ししようにも、“○○活性”や“師団弱体”といった対象のユニットを強化or弱体させるスキルのほか、ターン終了後の回復や追加ダメージ、さらには兵種間の相性、チート級の敵ユニットまでもが存在するため、なかなか一筋縄ではいかない。あーでもない、こーでもないと分析しているうちに、貴重な時間を浪費してしまったプレイヤーもいそうである。もっとも、これはプレイヤーとしての醍醐味であるから、一概には空費したとは言えないが、それでも時間泥棒であることに変わりはない。片手間でやると痛い目を見るだろう。その代わり、システムへの理解が深まってくると物凄く面白くなる。

 このゲームでは、ユニットごとの能力を重視するプレイングは賢くない。となると、従来からパーティーとしての総合力を重視しているプレイヤーにとっては、これ以上ない天恵の作品だと思われる。どっしりと腰を落ち着けて、将棋や囲碁のように攻め手、防ぎ手を熟考していくほどに、このゲームシステムは噛み砕かれ、自ずと旨みが出てくるようになる。中盤、後半へと到るにつれて、歯ごたえは面白さへと変換され、不親切さも徐々に緩和されていく。いったん面白く感じると、それが長続きするタイプの作品だ。ただ、これは一周目に限ったことで、廃プレイするとなるとこの限りではない。



 ところで、このゲームシステムにはいくつか不満がある。
 まず、同じ兵種を重複して登用することができない点が不可解であった。トレハン軍団や魔獣軍団など、そのパーティー編成は多岐に渡り、ゲームとしての自由度はかなり高い。それなのに、なぜか同じユニットは全部隊で1ユニットしか登用できないのだ。これは、ゲームバランスの調整の影響とみるが、大なり小なりフラストレーションが溜まることだろう。

 スキル面でもゲームデザイン上の問題か、やや偏向している部分があるようだ。ある程度勝てる感覚を掴んでしまったら、経験でなんとなく勝ってしまうようになるが、おそらく一部のスキルだけはノーマルモードでも大なり小なり用いなければ、クリアするのがハードな仕様となっている。また、それらのスキルを使わなければ面白味が減じるというのは、ゲームとして如何なものかと首を傾げる次第である。その最たるスキルが「トレハン」で、こいつは我々のトレジャーハンター心をくすぐりつつも、ゲームのスムーズな進行を左右するやっつけ極まりないスキルなのだ。これをパーティに入れるか否かで、難易度も面白味もガラリと変わってしまう。それを考えると、このゲームの面白味は、砂上の楼閣の如き危うさを秘めていると言わざるを得ない。

 一応内政も存在するが、その実あまり用をなさない。プレイ済みの方は参考までに、「永遠のアセリア」(ザウス)の内政システムを想像してもらえるといいだろう。つまり、その手の機能を殆ど利用せずとも、クリアに漕ぎ着けるほどの空気っぷりなのである。

 また、こちらにとっての国境線という概念が敵さんには完全に欠如しているため、ところ構わずいたるところに無遠慮に攻撃を仕掛けてくる。これは、実質的に地理的な戦術というものが存在しないことを意味しており、前述した内政のちぐはくさをさらに際立たせているように思う。攻めにくい地形や、取られてはならない要衝といった条件がマップ上にあまり反映されず、完全に運任せになっているきらいがある。地形効果を気にして戦いに臨むプレイヤーにとっては、敵国に隣接する拠点を有用に使えないため、さぞがっかりすることだろう。


……などなど、不満はいろいろあるのだが、システムの根底がしっかりしているからだろうか、ゲームをプレイしていて投げるというようなことは一度たりともなかった。そこは安心できる。
 ただ、やはり時間を吸い取られる作品であることは間違いない。時間を忘れてしまうことに、一抹の不安を抱えるほど面白かった。



 シナリオについて。
 僕はこのゲームのシナリオにはハナから多くを求めていなかったクチなので、ある程度物語としての形を保っていれば、システムで評価を得られるだろうと思っていた。そして、そのとおりになってしまった感じがする。

 『創刻のアテリアル』のレビューにも書いたが、ことゲーム性を重視すべきと感じた作品について、僕はシナリオの部分で目をつぶろうとするスタンスだと自覚している。この作品もその例に漏れなかったわけである(ここで僕の主張を語ったところではじまらないが)。

 まあ、大雑把に言えば、この物語はウリがいまいち分からなかったというのが本音か。
 女神悪堕ち触手SLGとは明記してあるものの、悪堕ちというよりは快楽堕ちといって差し支えない代物だし、シーン以外のイベントでは女神が堕ちていっている様が読み取りづらく、堕とす側としてのエクスタシーを得にくい。堕落は数値としては明確に刻まれるが、「あたしって、ほんとバカ」然とした絶望も、洗脳も調教もエロシーン外での描写がいま一つ物足りない。堕ちる前の葛藤よりも、堕ちた後の売女状態の女神のほうが、堕落した感じが出ており、より愉しめること請け合い。僕は、堕ちる前の過程を端折りすぎていると感じた。

 第一、女神を悪堕ちさせる動機が非常に脆弱なのもいただけない。最終的には、女神たちは主人公ロキくんの仲間に入ることになるわけで、そこからさらに堕とそうという理由付けがほしいところである。しかし、肝心の動機が作中であやふやになっており、いまいち乗り切れない。これは主人公の人となりや境遇から起因する向きはあるが、いずれにしろ説明を削りすぎているのは否めない。エロをも包含して考えてみると、シナリオとの不均衡がかなり目立ってしまっている。


 それに、僕はこのゲームの“悪堕ち”というのは、厳密にはちょっと違うんじゃないかと思う。堕ちると言うと、僕の中では、それはそれはハードで絶望的なイメージがあっただけに、プレイしてみて「こいつぁ、ちっとばかし悪堕ちとはちげーんじゃ…」と幾分肩透かしを食らってしまった。

 それもそのはず、女神は基本的にイヤイヤと首を横に振りながらも、徐々にエロに目覚めていき、めでたくロキくんに堕落させられてしまうわけだが、この一連の流れがとどうも時代劇の茶番くさくていけないのだ。ロキくんに、舌先三寸の悪代官っぷりが染み付いてしまっているのと同様、女神たちに憐れな姫もしくは気の毒な町娘役を配しているという構図があるように思える。



あくだいかん ろき「ふっふっふ。イヤとは言いつつも、身体は素直に反応してるではないかー、んー? よいではないかー、よいではないかー」

まちむすめ てぃるか「あああッ、お戯れをお代官さま~。 あ~れ~」




とまあ、堕ちる過程において、この構図をふんだんに多用していると思う。程度の差こそあれ、悪代官がやることもロキくんがやることも、結局は快楽攻めに過ぎず、それ以上のことはやっておらず、本作においては。女神が勝手に快楽に負けただけという印象が強かった。だから、心的に堕ちる描写に疎い。堕ちた後の自分を評して、生まれ変わったなどといけしゃあしゃあと喜ぶ女神もいる始末なのである。

 復讐だのなんだのとかっこよさそうなことを嘯いてはいるが、肝心のロキくんがそれなりに深度の中二病を患っているので締りが悪い。女神が悪堕ちする以前の日常描写とエロシーンを見比べると、彼女たちの反応のギャップが激しすぎて、どうにもこうにも滑稽に映ってしまうのは実に傑作である。


 注釈を入れておくと、女神を堕とすことだけが目的のゲームではないから、彼女たちを屈服させることがクリアの必須フラグというわけではない。純粋にゲームを楽しみたいプレイヤーは、別に女神を堕落させずともクリアすることが可能(捕縛した直後の、なかなかハードな処女喪失だけは不可避である様子)。これはプレイ次第で如何様にも変えられるため、ニッチでなくなったぶん、門戸は広くなったと見る事もできよう。しかし、それでいくと、特長であるエロ濃度は一気に希薄になるわけで、ユーザー側の評価としては難しくなってしまう。贅沢な悩みどころだ。


 エロそのものだけ切り取ってみると、プレイヤーの好き嫌いが明確に分かれるのではないかと思われる。遊べるファンタジー系の作品にしては陵辱色が色濃く、一部では断面図のカットインまでもが挿入される。僕は断面図スキー(基本的に二次元しか味わえないじゃないか!)な人なので、これは歓迎すべき点ではあるが、慣れない人にはきつい描写かもしれない。
 ハードなだけあって実用性はピカイチ。嗜好さえ合えば、長らく活躍してくれそうだ。



 音楽とボイスについて。
 注目度は低くなってしまっているが、音楽の出来映えが光る。臨場感を高めてくれる音楽というのは、いつだってシナリオのいい女房役になる。おしなべて高品質の曲目が揃っているため、不安は微塵も感じられない。
 また、女性陣のヴォイスは、この手のゲームではそれなりの技術が伴うものと察する。それに基づけば、メインを張る女性陣やガルム、スルトに関しては問題ないだろう。しかしながら、イミルの台詞回しがあまりにも単調すぎるのは痛すぎる失点。あれほど酷い大根役者っぷりは、久しぶりに耳にした。素人耳で恐縮だが、これは看過できなかった。言葉尻も「~だね、~だからね」が多すぎる。



 長くなったあたりでまとめておくと、VBシリーズの当初から、着実に進化を遂げた作品だと思う。その全貌たるや、単なる触手、調教ゲーにとどまらず、ちゃんと遊べるゲームとしても抜群の機能を搭載している点は瞠目に値する。むしろ、そちらの方こそ核なのだから、正直なところ満足度は極めて高い。なにかと敬遠されがちなエロゲーならではのキーワードからは、予想もつかないほど洗練されたシステムには驚きの一言。将棋や囲碁における一手のように、綿密な計算に基づいて行動を起こすプレイヤー向きの一作である。

 ニッチなエロシーンのせいでこのシリーズを食わず嫌いするのは考え物だと僕は思う。戦闘システムは熟成の域にまで達しており、特に対価に見合う緻密なシステムを創り上げた点は、賞賛されこそすれ貶められるべきではない。今後の改良については目下DualTailの課題事項だが、今のままでも十二分に遊ばせてくれることだろう。



【プレイ済向け】
 メダリオンを駆使して称号をつけることで、汎用ユニットにスキルを覚えさせることができる点は革新的で面白い。しかしながら、せっかく機能しているだけにもったいないと思える点もいくつか。
 何と言うか、称号が不統一で格好がつかないのである。せめて、接頭語を“○○の”という形か、活用を含む動詞または形容詞のいずれかに絞り、接尾語を名詞で統一すべきであった。ど○とhackで用いられたランダムダンジョン生成のためのワード遊びにしても、それはそれで面白かったのではないか。

 メインバトルは1ターンに一度限りのため、そこにトレハン師団を用いる場面が増えてしまった。おかげで、他の師団はエンカウントバトルにまわりがちになり、戦闘そのものがルーティンワーク化していく可能性がぬぐえなかった。
 当のエンカウントバトルでは高火力が要求され、防御が得意なユーザーでも大ダメージを与える編成を余儀なくされる。これでは、防御の面白味がない。また、侵攻された時でも、相手を完全に屠れないと攻め取られる仕様は解せない。




【雑記】
 資料集を読むだけでもワクワクできる作品ですなあ。

 本当に些細なことですが、トールの回想シーン「欲望の徒」は分かりやすい力の抜き場。ティルカ以下の女神の状態を悪にしていると分かるんですが、悪状態の女神なのに、トールの属性反転を好ましく思ってない台詞回し&表情のティルカとリグレット。ほんの少しの違和感なんですけどね。
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