今日はおっぱいゲームのレビューです。参考までにどうぞ。批評空間さまに投稿した文章とおんなじです。なぜ2箇所で書くかというと、単に消えるのが怖いからです。「バックアップはいくつあってもいい」とは友人の言。そういうわけで、いまは2箇所に投稿しています。
羊頭狗肉とまではいかないが、微妙なニュアンスの違いに首を傾げる作品。タイトルが錬度の低い言葉遊びになっており、ユーザーの無用な誤解を招いてしまっている。ある程度の萌えゲーとして整ってはいるものの、コンセプトを盛り込んだにしてはいたって普遍的な内容。ナマイキなのはヒロインではなく、そのおっぱいなのだ。まったくもって、けしからん作品である。
新ブランド設立の報を受け、実際にビジュアルを目にしてみて、まず最初に2つのお化けが目に飛び込んできた。度肝を抜かれた。「……やられた!」と思った。もちろんたわわに実ったおっぱいに、である。巨乳を遥かに通り越して、魔乳の域にまで達した早期特典色紙の汐里。これを見て、思わず予約してしまったクチである。
どう考えても規格外の魔乳であるが、そのアンバランスこそが、まどそふとなる新ブランドを我々に強く印象付けたことは間違いない。幸いにも、私はクロシェットの御敷仁氏に近しい感覚で受け入れることができた。それくらいのロマンが、Syroh乳には詰まっていると思うのだ。それはそうと、これほどの乳を描ける御仁が、まだロープライスしかエロゲメディアで露出していなかった事実には、今でも少なからず驚いている。なんとも今後に期待が持てる絵師さんではないか。
ビジュアル面ではセンセーショナルな印象を残したが、残念なことにストーリーはいたって平凡。あまつさえ中身に乏しいのに、タイトルに羊頭狗肉の嫌疑までかけられている始末である。それもそのはず、『ナマイキデレーション』なる造語から容易に想起される【ナマイキ→デレ】が、まったくと言っていいほど機能していないように見受けられるからだ。問題となっているのは、
・【ワガママ】なのに【尽くし系】(汐里)
・【毒舌家】なのに【兄好き】(みさき)
・【ナマイキ】なのに【オトメ】(渚)
・【コドモ】なのに【天才】(メル)
という4つの構図全てが、【ナマイキ】なのに【デレる】という根っこの構図にうまく嵌っていないことだろう。だが、【ナマイキ】なのに【デレる】ヒロインというのがそもそもよく分からないし、オフィシャルで謳っている『好意的な気持ちがベースのナマイキキャラ』とやらも、なかなか想像の域を出なかった。そして実際にプレイしても、ヒロインのナマイキな部分は漠然とした感覚でしか感じ取れなかった。そのため、コンセプトとしての魅力に乏しい作品となってしまった感が強い。
汐里、みさき、メルはともかく、渚にいたってはストレートにも【ナマイキ】と紹介しているが、むしろ【暴力女】と言ったほうがしっくりくるではないか。そして、【暴力女】は果たして、イコール【ナマイキ】と言えるのだろうか。ここらへんの感覚のズレが、最後まで響いてしまったのは否めない。
考えてもみてほしい。【ナマイキ】→【デレ】なんて、誰が保証したというのか。たぶん、これはタイトルから生じた誤解で、実際には【ナマイキ】+【デレ】をキャラクターに内包していると言ったほうが正しい気がする。
汐里はどうしようもなく【ワガママ】だけど、主人公が好きだから【尽くし】てくれるのだ。
みさきは常に【毒舌】を吐くけれど、心の中では【兄が好き】なのだ。
渚は言葉より先に手が出るほど【ナマイキ】なヤツだけど、純すぎるほど【オトメ】チックなのだ。
メルは見た目は【コドモ】だけど、その道の博士顔負けの頭脳を持つ【天才】なのだ。
これらをナマイキと考えるかどうかは、無責任にもユーザーの感覚に委ねられている。これがよろしくなかった。クリエイターがどう感じようが、結局はユーザーの多くが感覚をシンクロできていないと、せっかくの羊の肉も狗と疑われてしまうわけである。
ブランドが意図した楽しみ方がうまくユーザーに伝わっていないのは、作品にとって不幸だった。だが、誰もがナマイキに感じるキャラクター設定をできていないのは明らかだし、あたかも【ナマイキ】→【デレ】という流れがあるように錯覚させたタイトルには、やはり疑義を挟みたい。瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず。紛らわしい要素は排除すべきという教訓もある。タイトルに偽りあり、とまでは言わない。しかし、無用な誤解を生むタイトルは極力避けるべきだと思う。
絵は良くてもシナリオが微妙、というのはだいたいの新ブランドが通る道だと勝手に思っている。なので、シナリオについてはたいして期待しなかったということもあって、この出来も予想の範囲内と言えば範囲内ではある。もっとも決して褒められたものではないが……。
それはともかく、処女作らしからぬビジュアル面でのアドバンテージは強みの一つ。あとはいかにして、エロい絵柄をエロいテキストと声で彩るかが鍵となる。全体的に尺の短い濡れ場も気がかりと言えば気がかり。ともかく、目下の課題は文章まわりだけに、次ないし次の次あたりの作品には注目していきたいところである。
【雑記】
ロリ巨乳党は抑えておくべき一作でしょうな。あの乳に挟まれたい&乳首を引っ張りたいと思った人はいるはず。
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