9月1発目はこれで。
戯画が9年も前に通った道を、さらに質を悪くして通る。それこそが、でぼのす製作所というブランドの進歩の無さを物語っている。なかなかできる芸当ではない。
◇ものすごくテンポが悪い 20章を超える長編モノではあるのだが、実のない蜜柑のように中身はスカスカ。ギャグ色が濃い割にさっくりと終わってくれず、ずいぶん胴長な印象を受ける。ラノベテイストの内容でありながらも、ACTによる一時停止がもどかしい。無用な信号待ちが多すぎて
テンポが悪い。
一つの章は、AVGとACTから成っている。その合間合間にご褒美的な要素としてエロシーンを挟むのは、相変わらずのでぼのす風味。この構成もいささか苔生した感すらある。根本的に変化しない絵柄と併せると、より一層
保守的な要素が際立ってしまう。
◇商業レベルではない戦闘システム 加えて、肝心の
ACTの出来がさほどよろしくない。コマンドを入力せずにボタン一つで必殺技なりコンボ(チェインシステム)なりを放つのはまだしも、ダッシュや回避アクションでもキーを一つ潰されるのは地味に痛い。スキルが増えてくると、あれもこれもとなりがちなのがこの手のゲームの悩みどころではあるが、やはり基本的な移動コマンドについては、カーソルキー連続押しや長押しなどのアクションで対応したいところだ。
シンプルな戦闘の割に、操作は意外にも煩雑でやりにくいことこの上ない。デモムービーのように華麗な戦い方をするには、少々の根気と工夫が要るようだ。周回しようにも、この程度の錬度ではやる気が削がれるというものである。
横スクロールアクションとしての面白さ&完成度は、必ずしも高いレベルとは言いがたい。そもそも『戦刃乙女』は操作自体が完全にビギナー向けとあって、やりこみ要素もほとんどない。設定を間違わなければコンボはほぼ自動で繋がるし、レベルが足りずに詰まるといった現象も見られない。これでは、まるで贔屓の引き倒しである。実に
親切すぎるゲームなのだ。私個人の経験からすると、類似したシステムを積んだ『DUEL SAVIOR』のほうが、自由度もあり質が高いと断言できる。
9年も前のCD4枚組時代のゲームに、この作品は負けている。要は、
このゲームをプレイしなければならない魅力がシステム面ではもはや皆無だということ。これはACTゲームにとっては致命的だ。フルプライスを支払うのは、いくらなんでもハイリスク過ぎる。
◇地力はありそうなだけに… コンスタントに作品をリリースできる強みは認めたいが、
低価格タイトルのそれと質は同等。リスクを承知で、その生産性の高さを一つ所にぶつける気概を見せていただきたいものだ。
【雑記】
スライム系が強い。回復能力があり、ちょこまか動いて地味に厄介。なんだか無性に腹が立った。
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