エロゲーの箱について①
http://bbmatora.blog11.fc2.com/blog-entry-533.html
エロゲーの箱について②
http://bbmatora.blog11.fc2.com/blog-entry-535.html
からの続き。風邪をどうにかしろってレベル。血痰は勘弁。
3.蓋身式 見慣れない単語だが、要は蓋と身(底)が分かれているタイプ。化粧箱とも言う。エロゲーの箱としてはあまり馴染みがない箱ながら、高級感を演出できるので、若干のブランドが採用している。ういんどみるでよく見る箱なので、“どみる箱”と呼んでもよさそう。
一般的にはお土産品でよく見られる箱である。もっと単純化した額なしの組箱は、エロゲー界隈では、たとえば色紙入れとして重宝されているようだ。
エロゲーの蓋身式の箱はとにかく丈夫で、コスト面と量産性以外は致命的な死角がない。キャラメル式やワンピース式と異なり、スポンジを緩衝材として利用している場合が多く、内箱の傷みともほぼ無縁。また、ディスク1枚+マニュアルという単純な構成は珍しく、サントラや冊子、内蓋を同梱していることが多い。個人的にこの形状には好印象を覚えており、もっと他のメーカーも取り入れないものかと思っている。
なお大抵の蓋身式のエロゲーは、印籠箱というタイプに細分化できる。これは、「底部分内側に、さらにもう一枠設け、蓋と身を同寸法にする形状」(注1)で、『素晴らしき日々』(初回版)や『Flyable Heart』(初回版)などが当てはまる。最近で言うと、『オトメスイッチ』において採用されていたのが記憶に新しい。

蓋身式の一例
『素晴らしき日々』(特装初回版)
底部の内側に額がある
純粋な蓋身式としては、『カタハネ』、『ティンクル☆くるせいだーす』、『家族計画 絆箱』(でかすぎる…)、『ワルキューレロマンツェ』(初回版)などが、一例として挙がる。ワルロマは内装に難があり、新品段階での破損があったようだ(知人が嘆いていた)。おそらくは、内箱の強度の問題だろう。デザインが凝っているだけに勿体無い。
面白いことに、この形式は大多数の箱のタテ×ヨコの面積が広めに作られている場合が多い。そのため、どちらかというと陳列向けの箱となっている。挿して並べることはあまり意識されていないようで、パッケージを魅せたいとするブランドの意図が見て取れる。
蓋身式の箱をまとめると……
【利点】
・抜群の強度。同じ箱の重ね置きも可能
・面を見せた時の美観がそれなりにいい
・保存がしやすく、内箱の傷みとはほぼ無縁(例外もある)
・比較的薄い仕様にできる
(ワンピース式にありがちな、箱内部における空間の無駄を減らせる)
【難点】
・コスト面は比較的悪い
・量産性がさほど高くない
・帯が破れやすい(素晴らしき日々。無理してつけなくても…)
・丈夫さを追い求めるので重くなりがち
・タイトルが小さくなったり、割れたりする(印籠箱)
・挿すと目立たない。横から見ると映えにくい。
【採用ブランド】
RococoWorks(解散)、ういんどみる
参考
四季紙器 印籠箱(注1)
http://www.shikishiki.com/type-box/type_05.html
四季紙器 蓋身式 ギフト箱
http://www.shikishiki.com/type-box/type_04.html
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